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勉強しなさいって言わなくても勉強する子にどうやって育てたの?(7)
●まずは生活習慣から
娘が幼稚園のとき、周りにピアノを習うお友だちが増えてきました。女の子は幼稚園で先生が弾くピアノにも憧れます。娘も「ピアノ習いたいなぁ」というようなことを言い始めました。
ピアノを習うことには私は反対ではありませんでしたが、我が家には私のエレクトーンはあってもピアノはありません。とりあえずはエレクトーンで練習してもいいかもしれませんが、きっとすぐにピアノが欲しくなるはずです。でも2~3年習ってやめてしまう習い事のためにピアノを買う気はありません。
そこで娘と話し合いました。「ピアノを習う子はね、毎日必ず練習しないといけないよ。毎日練習できない子はピアノは習えないんだけど(これがさも世間の常識のように話す)、Kちゃんは絶対に毎日練習する?」「毎日練習する。」「それからね、ママはピアノを習うなら、ある程度の曲が弾けるようになるまで、少なくとも中学3年生までは絶対に続けてほしいと思っているんだけど、途中ですぐにやめるとか言い出さない?」「やめないで続ける。」こんな約束でピアノを習うことになりました。(自分が子どもの頃、レッスン当日にしかエレクトーンの練習をしなかったことをまるで棚に上げて、自分のようにはならないように習慣づけようと考えた作戦でした。)
約束はしました。でも約束したからといって幼稚園児が一人で毎日ピアノの練習ができるはずはありません。ピアノを練習する時間を確保して毎日ピアノに向かわせました。最初が肝心です。毎日練習することが子どもにとって当たり前になるまで、欠かさず声をかけて練習に付き添いました。そのうちに声をかければ一人で練習できるようになり、気づけば声をかけなくてもピアノの練習は毎日の生活の一部になっていました。
息子も幼稚園の時にピアノを始めました。最初は娘が先生になって教えていたのですが、そのうち自分から「ピアノを習いたい」と言い出したので、娘と同じ先生に習い始め、二人とも高校3年生になる頃まで続けました。塾に行きたいとは決して言い出しませんでしたが、二人ともピアノをやめたいと言ったことはありませんでした。
息子が幼稚園に入ったころには私は短時間での仕事を始め、小学校に入って間もなくフルタイムで仕事をするようになりました。毎日とにかく時間に追われるようになりました。
この頃には私と子どもたちとの連絡用にキッズ携帯を持たせていたので、「お米洗って」とメールをしてご飯を炊いてもらうことも度々ありました。夕食の準備をしていても、トンカツなどの衣をつけるときには、小麦粉と卵は私がつけて、パン粉をつけるのは子どもたちの役割でした。
いつも手伝ってくれていたおかげで、学校での給食クイズ(給食の時間中に管理栄養士さんからのクイズが校内放送で流れることがあったようです)で「フライの衣をつける順番は?」という問題が出たときは、二人とももちろん正解。クラスの半数以上が間違えたそうで、「何でみんな知らんの?」と不思議がっていました。
娘が小学校高学年になり調理実習をしたあとなどには、私が帰ると具だくさんの野菜スープが出来上がっていたこともありました。娘は必ず弟をアシスタントにして、あれこれ指示をしながら二人で楽しく作っていたようです。
毎日の生活の中で必要なことを学ぶことや、自分自身で予定を立ててやるべきことをこなしていくことは、勉強よりもまず大切なものだと思っています。子どもたちは自分で宿題をし、翌日の持ち物を整え、給食の用意(ナプキンと箸などの準備)をし、その日の洗い物は自分で所定の場所に出し、私が学校の準備に手出しをすることはほとんどありませんでした。
子どもたちが中高生になると、夕食の際には配膳する前に「ご飯できたよ~」と私が呼ぶので、テーブルにはまだ何も並んでいない状態で子どもたちは集まってきます。私は調理器具の洗い物をしながら「ごはんよそって」「お味噌汁入れて」「お箸出して」と間髪入れずに、次々と子どもたちに指示を出していました。そのうちに指示がなくても見事に動けるようになっていきました。
小学校を卒業するとき、子どもたちの通っていた小学校では、事前に子どもたちは親への手紙を書いて、卒業式当日の受付で親はその手紙を受け取ります。娘からの手紙には私への手紙とともに弟への手紙が入っていました。
(娘から弟への手紙)
私はもう卒業して中学校に行きます。
帰ってくるのが遅くなると思うから、私がいなくてもちゃんと一人でいろいろやってね。お米洗いも洗濯物の取り込みも、ほとんどTがやることになると思うけど、お願いね。
あら、なんてしっかりしたお姉さまでしょう、ママはとっても助かるわ。夫と二人で爆笑しました。
(次回は「●お受験ママとの出会い」)