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これを機にやめるのも賢明な選択

長期化の様相は避けられず、五輪も史上初の疫病に因る延期。世界的な流行による世界経済への悪影響も必至。やるせない、不安など、心苦しいのは誰も同じ。

こんな今、これを機に店をやめる事は賢明な選択と言える。

何故なら、コロナウイルスが収束しても、それにより経済活動は大きな影響を受け、不況の様相は免れないだろう。イコール、店にお客が戻って来ても、以前と同等に戻るとは期待できないと予想される。

働き方改革による残業時間削減に加え、コロナウイルスによる濃厚接触の回避の一つとして宴会や個室での飲食キャンセル。これらによって、お客は外食頻度は下がり、テレワークや自宅待機、それが習慣化されてしまった事で内・中食へのシフトが着実に起きてしまったと考えるべき。

外食への頻度や慣れ以外にも、お客の所得減少や将来不安が募り、消費控えも確実に起きるだろう。それは“外食=大きな支出”という認識になり、ファストフードを中心に低単価な業態か圧倒的外食価値のある専門店業態は支持されても、どちらでもない“なんとなく”行っていた店には足が向かなくなるだろう。

欧米では外食店舗はテイクアウトのみの営業となり、日本でもその傾向はあるが、そもそも日本は既に成熟している中食産業(コンビニ・デパ地下・弁当惣菜店)が存在しているので、以前、「48.コンビニエンスストアを見に行くべき」でもお伝えした通り、特に価格や品数の面で外食が太刀打ち出来る可能性は極めて低い。言い換えると、極論だが、外食は“出来立て”という事だけが価値であると、皮肉にもこういう事態になって明確になったと言える。

台風一過を待って、不測の社会情勢の中を生き抜くのか?それともこれを機に“一旦”やめて、先の好機を待って再開するのか?誰にも分らない、正解がない判断をする時である。

誤解も批判も恐れずにハッキリと考えを述べると、この機は外食産業にとって“ふるいにかけられている時”と捉えている。何となくやって来た店、やって来れた店、他に出来る事が無いからやっていた店、などなど。参入障壁が低いがために有象無象なものも乱立していた。そんな店はこれが機に無くなるだろう。言わば、市場が自然と自浄したと言えるだろう。

逆に言うと、本物の店、実力のある店は台風一過の後、お客は「待ってました!」と言わんばかりに戻って来てくれるだろう。だから、自分の店を認識できている人は、今を憂う事なく、ただ時が過ぎるのを待っているはずと言える。

もし、今も先も不安ならば、“損切”することをお勧めする。それは負けでも恥ずかしい事でもなく、合理的な賢明な判断である。

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