失いかけた大切なもの：夢で見たもう一つの人生

俺は妻と2歳の娘と3人で暮らしている。

体育館のような広いスペースにパーテーションで区切ったような半個室のブースみたいな所で暮らしている。

大勢の人が自分のスペースの前を行き来。

学生時代の友達も、知らない若い男女も。

そんな空間で生活している。

ある日おれは、妻に別れを告げられた。

浮気をしたわけでもなく

暴力を振ったわけでもなく

昨日まで仲良く3人で生活していた。

なのに急に振られた。

「待ってくれ。もう少し話そう」

と言うこともなく

おれは受け入れてしまった。

今日からお別れ。

だけど外の世界に行けず、同じ体育館の別ブースで生活することになる。

結局、引越し先は元3人で生活していた斜め前。

常に妻と娘の生活が左斜め前に見えている。

辛い。

元に戻りたい。

でも妻はもう妻ではない。

なんだか「元妻」とかではなく

すごく遠くに行ってしまった気がする。

辛い。

何をするにも活気がでないまま数日が経過していた。

「ねえ、ふくろうl、遊ぼう」

A子から遊びに誘われた。

複雑な気持ちもあったが俺はもう独身男。

よし、久々に女の子と遊ぼう！

楽し〜♪かわいいな〜♪

久しぶりにこういう気持ちになった。

B子からも遊びに誘われた。

楽し〜♪

気がつけばA子もB子も俺のことが好きだったみたいで2人に告白された。

んおっ俺の取り合いか？！ドラマか！？夢みたいな話だーーー！！！(←まぁ夢ですけどね)

どっちにしようか悩みながらも2人の女性と遊ぶ日々が続いた。

だけど、いつも心のどこかで何かが引っかかる。

そう。

左斜め前にいる元妻と娘。

元妻は俺と別れた後も、特に誰かと遊んでいる様子もなく、娘の子育てに励んでいた。

時々見せる悲しそうで寂しそうな表情。

でも別れを言い出したのはあっちだ。

そう思いながら俺は遊びまくった。

よし決めた！俺はA子と付き合おう。ごめんB子！

明日はA子とデート。今日は早く寝ることにした。

翌朝、出かける時に、やはり目に入ってしまう。

元嫁と娘。

今日デートにいけばA子と付き合うことになる。

つまり元妻と娘とは完全にお別れしてしまうことになる。

家族との時間が蘇った。

今日も寂しそうな表情している。娘と2人ぼっち。

・・・

・・・

やっぱりおれは元妻とやり直して3人で生活したい。

でもどうすれば。。。

なぜ俺はあの時に別れを受け入れてしまったのか。

考えたけど俺もよくわからなかった。

でもやっぱりこの女性と娘と生活したい。

その気持ちに嘘はなかった。

「なぁ、、、」

「もう一回話し合わない？」

「・・・うん」

ほぼほぼ沈黙だったが何となくわかった。

元妻もやりなおしたいのじゃないか。

そんな雰囲気だった。

もう娘に会えなくなる。そんなこと考えたくもなかった。

「もう一回、おれと3人で楽しい家庭を築いていこ」

「・・・うん」

一度失いかけた本当に大事なもの。

失って初めて気づいた大事なもの。

なんとかギリギリのところで失わずに済んだ。

A子ごめん。俺やっぱり元妻とやり直すわ。ごめんよ。

2人の女性から奪い合いされる夢のような時間(←だから夢やけどな)

よかったな〜

でも最終的には妻に戻ってきた。

ってところで目が覚めた。

妻にこんな夢みたよ〜って報告したら

「んな、2人からモテるとか絶対あり得ないのにwww変な夢ばっか見るなぁー」

「・・・」

夢に戻ってA子とデートして告白してイチャイチャしたらよかった！なんならB子とももっと遊べばよかった！！！と後悔した昨晩の夢でした。