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「ボードゲームを使った認知症予防教室」の話 2(前編)
はじめに
こんにちは。川北です。
今日は「ボードゲームを使った認知症予防教室」第2回目の前半についてです。
記事が長くなったので、前半と後半で分けます。
ちなみに現在、4回目まで開催されています。
第1回目の様子はこちらとなります。
前回同様、最初に「健康体操 百寿グループ」の渡辺先生の体操があり、そのあと60分程度ボードゲーム しました。
今回、体操の時間中にゲームの準備をしていたため、先生の体操を撮り忘れました。
今回使ったボードゲームは、『ドメモ』と『ザ・マインド』の2つです。
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あと前回書き忘れましたが、1回目・2回目の参加者の年齢は、60歳代〜90歳でした。
参加人数は2回目は12人ぐらいみえたと思います。
前回の反省
前回、いつものボードゲームイベントのノリでたいした準備もせずに開催したらそこそこ痛い目をみたので、今回はゲームの数を減らしました。
前回の反省点は次の通りです。
参加者の皆様の生きてきた背景として、ゲーム的な娯楽をされていない方が多いので、こちらの「当たり前」を押し付けないようにする。
たとえば「逆回り」「時計回り」「カードを1枚出して引く」「自分だけがカードを見る」「カードを出した次の人から始める」「取ったカードを確保する」などは、かなりわかりにくい。
あと、カードの効果の種類が4つ以上になるとわかりにくい。
数字の大小を比較するタイプのゲームは、わかりやすいので盛り上がる。
カードのシャッフルは参加者の皆様にお任せした方が手先の運動にもなるので良い。
遊びやすようにルールを変える。特に導入用ルールは必要で、少しずつステップアップしていくのが良さそう。
以上のことから、今回は3テーブルをつくり、すべて同じゲームをすることにしました。
『ザ・マインド』のルール変更
まずは『ザ・マインド』で遊びました。
『ザ・マインド』のルールは検索して調べてください。
ここでは、どのようにルールを変更して遊んだを書いていきます。
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準備
まず、体力とアイテム(手裏剣)は使いません。
つぎに「協力ゲーム」というメカニクスへの理解が難しいので、みんなで一緒にゴールを目指しますということを丁寧に何度も説明します。ゲーム中に何度も繰り返してお伝えします。
使うカードは1〜5の5枚です。
各テーブル3〜4人いるので、1〜2枚は、余ります。
導入(チュートリアル)
まずは全員にカードを1枚配って、自分だけ見てもらいます。
他の人に見えないようにということも伝えます。
その後、全員カードをオープンしてもらい、小さい順に真ん中へ重ねて出していってもらうよう伝えます。
このとき、自分の数字を声に出して言ってもらった方がいいです。
無事に小さい順にカードが出せたら成功したことをハッキリと伝えます。
「凄い!」とか「いいね!」とか、ちゃんと成功できたことを表現します。
「誰でも成功できるやん」とポカーンとしますが、これが伏線として大切になります。
あと「全員オープンするなら、自分だけ見てもらう必要ないやん」と思う方もいると思いますが、そうすると次に配ったときもすぐにオープンしてしまうので、カードが配られたら自分だけが見るというルールをしっかり理解(体感)してもらうために必要な過程となります。
本番
それができたら、同じようにカードをシャッフルして1人1枚配ります。
この時にも再度「自分だけがカードを見ること」「他の人に見えないようにすること」を伝えます。
そのあと、「私がスタートといったら、話してはいけないし、数字がわかるような具体的なジェスチャーはしてはいけない」ことを伝えます。
そして、ゲームを始めます。
先ほどの導入でどうなったら成功かというビジョンは共有されているのと、1〜5しか使っていないので、1の人は1番に出しますし、5の人は最後に出すことはなんとなくわかっています。
運悪く1も5も配布されていない場合やルールを把握しきれていない人に1が渡った場合は、「あれ?1があれば誰かが最初に出すと思うのですが、1が出てこないということは、誰も持ってないのでしょうか?」と投げかけます。
すると、誰も1を持ってないと推測して2が出てくるか、1を出し忘れていた人が1を出されると思います。
サラッと書きましたが成功(ゴール)のビジョンがわかっているのとわかっていないのでは、ゲームを楽しめるかどうかが大きく変わってきます。
「ゲームをできること」と「ゲームを楽しめること」は似ているようで大きく違います。
認知症予防につなげるのであれば、「ゲームをできること」ではなく「ゲームを楽しめる」ことが重要となってくると考えています。
そのため最初は、ポカーンとされてもいいので、協力ゲームという参加者の方にわかりにくいシステムは、どうなれば成功(ゴール)なのかを視覚的に理解していただく必要がありました。
カードの追加
で、この1〜5だけ使ったルールでうまく行きそうだなと感じたら、次は1〜9に増やします。
配布するカードは先ほどと同じ1枚です。
これも上手く行くようであれば、次は1〜20に増やします。
1〜20の場合は、まず1枚でやってみて、上手くいってもいかなくても次は2枚、次は3枚とやります。
この3枚プレイをしたところで、『ザ・ゲーム』は終了です。
失敗について
ちなみにライフはないので何回間違ってもらってもOKです。
間違った時点で一度ゲームを止めて、出せなかったカードのみを取り除き、残っている人から再会します(これは通常ルールと同じです)。
失敗しても楽しんでいただけるように「いい線でしたね!」「勇気ある行動だと思います」「これは難しい。僕でも失敗します」など前向きに楽しんでいただけるよう声かけします。
文章が長くなってきたので、ドメモについては別日に書きたいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
当日の様子の動画
1回目と2回目の様子を百寿グループの渡辺先生がスマホで撮影し、動画編集し、Youtubeにアップされているのでよければご覧ください。
70歳を超えているのに、スマホ一台で動画製作とアップロードされているの、本当にすごいと思います。