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この善き日に私、転職しました。 秋豆絹

2025年元旦。前職とは異なる職種ということで、社会人二度目の初心者となった。
デスクワークから、立ち・動き・座りを繰り返す仕事に変わり、新卒のときよりも着実に体が衰えているのを実感する。

だがしかし、初心者も二度目。ここで疲弊して生活を途絶やしては前職の二の舞である。
夕飯もしっかり白米・味噌汁・肉魚・豆腐に納豆と健康食を保ち、ほぼ毎日湯舟に浸かって日付が変わるころにベッドイン。
出勤二日目にして身体が終わりを迎えた時には、退勤後ドラックストアへ直行し、大変立派な薬用入浴剤と非常に心強い湿布を購入して回復に全ベットした。

それにしても、職が変わったところで私にとって、「勤務」という行為のしんどさはどの職業でも大差なく大きいのかもしれない、ということに出勤4日目で思い至った。まだ出勤4日目で測り切れることではないかもしれないが、今のところの所感はこんなところである。

今までは、新卒なのに結構重要なこと任せられてしまっているなあ、ということが多くあり、個人情報を取り扱う職種ゆえのプレッシャーをひしひしと感じていた。しかし今の職種でも、その互換になるようなエッセンスがそこかしこにあるのだ。
その上、4月に入社した新卒社員はもう完全に職場になじんで責任のある仕事をガツガツやっている。ご自身の性質ももちろん影響しているとは思うが、いったいどんな経験をしたらそんな胆力が身につくのだろうか。

そう考えると、自分は大変な目に遭ったとは今でもそれなりに思うものの、他の社会人の皆さまも種々様々な地獄を生き抜いている。その地獄は不遇なものではなく、普遍的なことなのだと気づかされた。

この地獄が誰にでも待ち受けるものなのだとしたら、ましてや初心者二度目の私は、たじろかず粛々とこの仕事を覚えて立ち向かうほかないのではないか。

***


最近、ハロプロアイドル時代から追いかけているシンガー兼書道家の竹内朱莉さんが、ソロデビューを果たした。そのデビューシングルMVを早速視聴したところ、背中をポンっと押してもらえるかのごとく今の私にぴったりの歌詞があった。

若すぎずエラくもないが
泣いてお茶濁せるフェイズは過ぎた
こっからが本番(しょうぶ) 履かせてもらった
下駄捨て自分標準選んだシューズで
走れ 踏ん張れ

竹内朱莉『愛だろ、やっぱ!』より



私は、世の中の人たちが、「自分の身の回りの物をより善いものにしていくこと・自分の生活を適切な知識を持って整えることが、その人の人生をより豊かにしていく」ということを理解して、たとえ一時的なコスパが良くなくても、1回でも多くそういった商品を手に取ったり、知恵を思い出したりして、それを実践できるようになってほしいと思っている。

これからいろんな地獄を見ながら、この仕事に自分がどこまでコミットしたいと思えるのか、見極めていくこととなるのだろう。それでも、新卒で入った会社を辞め、自分の理想を少しでも広められるかもしれないとこの会社に入った、自分の人生への前向きな投資を、穿ち過ぎた物の見方で潰したくはないと思っている。


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