時間セーブデータ理論 七緒栞菜
流れる時間の概念がほんとうにわかったのは大学1年生の秋だった気がする。
それまで、私の時間はセーブデータを開いてプレイするゲームのように流れていた。
「時間セーブデータ理論」と呼ぶことにしよう。
小さいころから通ってきた学校は、授業を受ける場所。今日はこの部分まで終わったというのが明確にわかって、次の日はその部分の続きから授業が始まる。そんな場所だった。そんな場所に大学入学まで12年間通ってきた。習い事で行っていた空手とピアノは週に数回通っていたが、学校と同じように前回練