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明日の自分が忘れてしまいそうなこと

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その時その時に湧き上がった気持ちを、掴まえて文章という形に残していきたいと思っています。書いているうちに、思っていたのとは違う方向へ流れて「こんな事を書こうとしていたのか!」と発…
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2018年7月の記事一覧

わたしたちが

「対岸」だとおもっているところは

じつは

どこにもないのかも

ちかづけば ちかづくほど

それは

ここになる

街の寝顔を

街の寝顔を

旅先の朝は早い

早いが眠くはない

憧れの人の目覚めを眺めるような
わくわくと緊張感で
眠っているどころではないのだ

伽藍とした道

人の気配をジジっと鳴いて知らせるすずめ達
あっという間に過ぎ去るトラック
軒端の風鈴

訥々と語り始める昧爽の音に
わたしは振動数をあわせながらあるく

誰かの日常に、私の足音が重なるとき

浮いていないか、
溶けこみすぎていないか

目指し

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夏は空が高い

夏は空が高い

「夏だなぁ、空が高いなぁ!」

散歩の途中、空を見上げながら主人がしみじみと言いました。

え、と声がでてしまいました。

「空が高い」というのは秋の専売特許のような気がしていたからです。

ほら、”天高く、馬肥ゆる秋”っていうじゃありませんか。

主人にそう言うと

「そうか!」とだけ言って笑っていました。

そんなざっくばらんな笑顔を眺めていると、さっきまでの自分の違和感がだんだんとちっぽけに

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