いつの間にか忘れる子どもの気持ち
大人は子どもの頃を経験してるのに
なーんで子どもの気持ちが分からんのやろう?
子どもの頃にそんな風に思ったことが
何度もあった。
だから私は
絶対に子どもの気持ちを
忘れない大人になりたい!
そう思っていたのに…
気が付けばいつの間にか
私も子どもの気持ちが分からない大人
そして親になってしまっていた。
今思えば、過去の私は
とにかく嫌われることを恐れていた。
当時は自分では意識してなかったし
全然気付けてなかったけど。
子どもの気持ちを考える前に
周りに迷惑をかけないように…
他の子と仲良く出来るように…
結局、そんなことばかり考えていた気がする。
むしろそれが正解だと思い込んでいたし
疑おうともしていなかった。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか
我が家の長男はなかなかの破天荒。
迷惑はかけまくるタイプだった。
使ってるおもちゃは絶対に貸せない。
使いたいと思ったおもちゃを
他の子が使っていたら全力で奪いにいく。
私は毎日毎日、謝っていた。
なんでこんなに謝らないといけないのか
と、情けなくなった時もあった。
ギリギリで必死に子育てしてるはず
なのになんで毎日謝ってるんやろう。
私何か悪いことしたかな?
でもやはり息子が手を出した時には
絶対的にこちらが悪い。
良かれと思って出かけていた
児童館や公園。
もう行かない方がいいかも。
私は子育て向いてない。
他の子はこんなことしないのに
私の育て方が間違ってるからや。
と、自転車の前後に
幼い長男長女を乗せて
泣きながら帰った日もあった。
泣くところは見せたくなかったけど
自転車なら2人ともに見られない。
私はあの頃、よく自転車をこぎながら
泣いていた。(今思えば完全にやばいやつ)
ちょうど同じ頃
長男が発達健診で経過観察になった。
そして私達は療育の親子教室に通うことになったのだ。
担当の保育士さんや保健師さんからは
本当に沢山の事を教えてもらった。
正直あまりの正論に心が折れたりもしたけれど
あの時に得た知識は確実に今の私を作り上げ
私の子育ての土台の一部となってくれている。
療育の中で出会ったある1人の保育士さんがいる。
彼女は当時息子と同じくらいのお孫さんがいると仰っていた。
いつも底抜けに明るくて、冗談も上手い。
あんな風に子どもに接することが出来たら
きっと子ども達も楽しいんだろうなぁ…
と、ガッチガチの頭を抱えた私は感じていた。
クラスの中で息子が他のお友達と
おもちゃの取り合いになったことがあった。
お互いに言葉がまだ出ていなかったから
手や足が出る。
そこでその先生は
そりゃあ貸したくないやんな?
大好きなおもちゃで
せっかく楽しく遊んでたんやもんな。
そりゃ嫌やわ。
貸したくないなら
無理に貸さなくていいんやで!!
と言ったのだ。
いつも「貸してあげて!仲良くして!」
と言っていた私は目から鱗。
そうなの?貸さなくていいの?
それでいいの?
とかなり心がざわついたのを覚えている。
そして先生は続けて
だってね、お母さん!
お母さんは自分の子どもが大事なんでしょ?
それとも自分の子よりも相手の子が大事?
私が孫と遊ぶ時は、私は孫よりも
大事な子どもなんていないの。
だから誰に何と言われようが
孫の気持ちが一番大事!
と。
ザワザワが止まらない。笑
その後も
確かに、私は他の子よりも我が子が一番大切。
でもやっぱり付き合いもあるし
現実問題そんなにキッパリ言えないよな〜。
という想いや
それって完全に私の問題なのかな…
親である私の問題の犠牲に
子ども達がなってるなんて
考えただけでもゾッとするし認めたくない。
でも、認めざるを得ない。
とりあえず申し訳ない!
なんていう想いが私の中で戦っていた。
当時は身も心もいっぱいいっぱいで
なかなか実生活に落とし込めなかったけれど
あれから約7年。
今ならあの時の先生の言葉の意味が
本当の意味で分かる様になった気がしている。
私の言葉で訳すのならば
自分にとって大切な人を
きちんと大切にする
という、とてもシンプルな意味が
込められていたのだと解釈している。
私は全ての人に好かれる事は出来ない。
私の事を嫌う人もいるだろう。
でもその人って私にとって
大切な人なのだろうか?
私は、そして世の中のお母さん達はきっと
自分がたいして大切だと思わない人に
時間を費やす程ヒマじゃないはずだ。
これを言ったら嫌われるんじゃないか?
変な人だと思われるんじゃないか?
そんな事を考えてる時間と労力を
大切な人や自分の為に費やした方が
絶対いいに決まってる。
破天荒な時期の息子と過ごす日々は
辛い事も沢山あったけれど
振り返れば大切なことばかりを教えてもらった。
そんな息子も春には4年生になる。
好奇心旺盛で人の物も全てが気になる性質は
残したまま、今のところとても良い形で発揮されている。
新しいことを学ぶことに興味津々、まさに好奇心旺盛なのだ。
これからも沢山挑戦と失敗を繰り返して
息子は息子らしく生きてほしい。
それと共に
私は重たい思い込みやルールをごっそり置いて
身軽な姿で生きていきたいなと思う
お雛さんをやっと出せて
達成感に満ち溢れている私でした。
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