『ベストフレンド』
私より少し遅れて「私たちの始まりの場所」に入園してきた、あの日の『あなた』は、どこか不安げで、物寂しそうにひとりぽつんとそこに佇んでいた。
「「ねえ、あなたの名前はなんていうの?」」
『あなた』は、そんな柄でもないはずの私が自分から歩み寄った、多分最初の『ひと』。
何故か自然と、まるでそうすることが決まっていたかのように、声をかけていた。
今でも驚くほど「迷い」がなかった。
私も遅れて入園してきて、初日から馴染もうとしても弾かれて、そもそもどうやったら他の子と仲良くなれるのか