【本棚から冒険を】なぜあらそうの?(絵本)
『どうぶつ会議』に思いを馳せていた2週間前には、まさか世界の情勢がこんなに変わってしまうなんて想像もしていませんでした。
心が苦しくなるような情報が入ってくるたび、『なぜあらそうの?』という絵本を読み返しています。
作者はロシアのニコライ・ポポフ。
この本のあとがきには、以下の言葉が掲載されています。
表紙をめくると、一輪の花を持ったかえるが現れます。
実はこの作品、文字がありません。読み手が状況を想像しながらページをめくっていくことになります。
この3ページから察するに、ねずみはかえるのお花が欲しかったようです。言葉で伝えればいいのに、むりやり奪ってしまいました。
ブーツの車で攻撃しています。
かえるも負けじと靴の車で蹴散らしに来ました。
きっかけは些細なことだったのに…ただ一輪のお花を巡って取り合いをしただけなのに…それがこんなに大きないがみ合いになってしまいました。
このあらそいに参加しているねずみ・かえるたちの中の何匹が、このあらそいの原因を知っているのでしょうか。文字や台詞がないので想像の域を出ませんが、わけも分からず仲間に加勢している数の方が多いように感じます。
こんなあらそいは誰も望んでいないはず。冒頭では世界の情勢について記載しましたが、私の周りでも小さな喧嘩、些細な言い合いが大事になり、こじれてしまうことがたくさんあります。
当事者同士が言葉で穏やかに解決できるよう、ふとした時に立ち止まって自分の振る舞いを見つめ直せるよう、本棚の一番見えやすい場所に大切にしまっておきます。