【挿話】尾形上等兵のあんこう鍋
今回はNHK『グレーテルのかまど』に出てきそうな題名を付けてみました--「尾形上等兵のあんこう鍋」。
ゴールデンカムイを読んでから、そこに登場するグルメが気になって気になって仕方がありませんでした。イクラ、ニシン漬け、オオウバユリ…食べてみたい食材を挙げるときりがありません!
おいしそうな料理がたくさん出てくる中で、物語を動かすキーワード的存在だったのが「干し柿」と「あんこう鍋」です。
どちらも「北海道グルメ」ではありません。干し柿は杉元佐一の、あんこう鍋は尾形百之助の好物(郷土の味)として登場しました。
あんこう鍋、作ったことのない私でも作れるでしょうか。クラシル先生を閲覧すると、思いのほか簡単そうに作っていました。これならできそう!
調べてみると茨城県では味噌仕立てが多いそうなので、味噌味にすることにしました。早速あんこうを買いに角上魚類へ!
はじめに肝の下ごしらえをします。料理酒をかけて臭みを抜きました。少し時間をおいてからキッチンペーパーで水気を拭きます。今回購入した肝が大きめだったこと、肝そのものをムシャムシャ食べてみたかったことから、肝は半分に切り分けました。
肝を料理酒に漬けている間に、あんこうの下ごしらえをします。ザルに身を入れたら、熱湯をかけて霜降りします。身の裏面にもお湯がかかるよう、菜箸でひっくり返しながら霜降りしました。
次に、水気を拭いた肝をフライパンで炒めます。良い感じにバラバラになったら(私はクラシルのようにならず、かなり大きな塊が残りました。おそらく、筋を取らずに炒めたためだと思われます)、味噌と料理酒を入れてしっかり混ぜます。分量はクラシル通りにしました。
白菜1/16、長ネギ1本、春菊1/2束、絹豆腐150g、あんこうを土鍋に入れたら、肝味噌スープをかけて中火で熱します。
クラシルでは水を入れていませんでしたが、私は土鍋の底が焦げてしまったため慌てて水100mlを追加しました。
7~8分経過したところでアクをすくいつつ、様子を見ながらぐつぐつ煮ます。
だいたい15分くらいで完成しました。
皮はぷるぷる、身はあっさり・しっかりでとてもおいしい鍋でした。
肝を炒めて味噌と絡めているので、鍋つゆ全体にあんこうの肝の風味が広がっていました。厚く切って入れた肝(写真右のオレンジ色)も、ふんわり濃厚クリーミーな味わいでおいしかったです。
作中で描かれる「あんこう鍋の思い出」は、家族崩壊の悲しい物語です。帰ってくるはずのない父のために毎日毎日あんこう鍋を作り続ける母…悲しいお話ですが、父が「おいしい」と言ったその気持ちはきっと嘘偽りなく本物だったのだと思います。だって本当においしいのですもの!
ぼたん鍋にあんこう鍋と、今年の冬も贅沢な鍋を楽しむことができました。自分へのご褒美がないと頑張れませんからね。これは必要経費?先行投資?です!
春は何を食べようかな、と今からワクワクが止まりません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?