【旅行】長野県旅・後編②~安曇野・ちひろ美術館と「安曇野」の謎~
昨年夏休みの長野県旅・第5弾(最終回)です。
午後はちひろ美術館へ行きました。東京都に住んでいることもあって石神井にあるちひろ美術館はなじみがあるのですが、安曇野は初めてです。
着いてびっくり!広大な敷地に大きくてきれいな建物が建っていました。建物の向こうには電車とこれまた広大なお花畑があり、なんだか日本ではないようでした。
この景色の中でお茶をするなんて、優雅ではありませんか。夏休みにふさわしい行動だと思い、カフェで紅茶と「りんごの天使」を注文しました。
暑いけれど東京ほどの暑さではなく、心地良い風も吹いている安曇野で、おいしいお菓子を食べて心も身体もリフレッシュしました。
この素敵な景色は絶対に忘れないし、忘れたくない -- そう思って、これまではイギリスの荒野(heath ヒース)をアイコンにしていましたが、ここで撮影した風景に変更しました。
わさび農場からの帰りに道祖神をたくさん見かけましたが、このちひろ美術館でも見付けました。
電車は『窓際のトットちゃん』にちなんだもので、車内では絵本がたくさん展示されていたり、ぬいぐるみが置かれたりしていました。
ひとしきり美しい景色を楽しんだ後は、美術館内で絵本の世界に浸りました。いわさきちひろさんの作品『あめのひの おるすばん』や『りゅうのめのなみだ』を観たり、生い立ちを学んだりと、とても充実した時間でした。あの淡く美しい絵が小さい頃から大好きなのです。
偶然にも、館内では「2010~2021日本の絵本展」をやっていました。知らない絵本作家・絵本画家の方々の作品に触れ、古い絵本も新しい絵本もそれぞれ良さがたくさんあることを知りました。何より、作家・画家の方々が絵に込めた思いに気付きました。お名前は耳にするものの絵本を読んだことのなかった、きくちちきさんの作品も読みました。力強さと淡い優しさが混じった絵が素敵だなと感じました。
2時間近く滞在したでしょうか、周遊バスの時間が迫ってきたので、名残惜しいけれど美術館を後にします。いつかまた、絶対に来たいです。
穂高駅に帰る前に、どうしても寄りたかった場所で下車します。
有明山神社は、有明山を御神体としているそうです。山々と共に生きる地域の方々ならではの山岳信仰に、身が引き締まる思いがしました。
神社には大きな古銭のようなものがありました。横にあった立て看板には、開運・招福の石であり、くぐると運がやってくるそうです。大人の私にはちょっぴり狭くて、えっさほいさと何とかくぐり抜けることができました。
静かな木々に囲まれた神社とは思えないほど豪華な門に驚きました。細かな彫刻がたくさん入っていて、市の指定文化財にもなっているのだそうです。
そして、この御朱印がどうしても欲しかったので途中下車をしたのでした。御神体のお山がかわいらしいのと、右側に「信州安曇野」と入っているのが良いなと思っていたのです。
バスの時間まで30分ほどあったので、神社の周りを散策して回りました。途中で猿に出くわしドキッとしましたが、襲ってくることはありませんでした。
そうこうしているうちに、バスの時間です。すっかり顔なじみになった添乗員の方とおしゃべりしつつ穂高駅へ戻ったら、今回の旅の最終目的地、駅から徒歩5分の穂高神社へ向かいます。
穂高神社は駅前にあり、大きなイベントが催されることも多いのかとても大きな神社でした。
穂高神社へ来るまで何の疑問ももっていなかったのですが、この「安曇之祖神」という文字を見てあれ?と気付きました。「安曇之祖神」とは、「安曇氏を神として祀る」ということです。なぜこの土地は穂高山に囲まれ穂高駅という駅名をもつのに「安曇野」と呼ばれているのでしょう。私の知る「安曇氏」とは海神であり、海から遠く離れた山岳信仰の盛んなこの地とは縁もゆかりもないはずです。
長野県の公式HPを検索すると、安曇野とは安曇氏の定着が由来となっていることが書かれていました。九州からここまで来ていたのですね。
だから、元々の山岳信仰・有明山神社と、海にまつわる海神(わだつみ)を祀る穂高神社の2つがこの地にあるのだと知りました。
旅は、その土地の歴史や信仰、風俗を学ぶことができとても楽しいです。
そして、普段生活している土地では見ることのできない景色、風景に心も身体も癒されます。今回の長野県旅もとても素敵な時間を過ごすことができました。
朝飲んだ酔い止めの効果があり、帰りの電車では酔うことなく、読書を楽しむことができ、大満足です。
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