技能実習機構への愚痴【犯罪者を紹介しないでください…】
技能実習機構からの電話
技能実習機構の援助課から電話がありました。技能実習機構は、技能実習生を管轄する役所で、援助課は、困っている技能実習生を支援する部署です。
電話の要件は、「ある技能実習生が無職になり、勤務先を探している。受け入れてくれる会社を知りませんか?」という内容でした。
詳細は伏せますが、下記のような状況だそうです。
①前の勤務先で、日本人従業員から暴力を受けたため、逃げ出した(日本に来てから約3か月後)
②半年ほど、友人の家に滞在した
③職を探したいと思い、技能実習機構に相談した。
現在は、N5(日本語検定5級)取得に向けて日本語を勉強しつつ、月給24万円ほどを提示する会社を探しているそうです。
どんな場合に、技能実習機構経由で職を探すのか
技能実習生は原則として転職ができませんが、トラブルの際などに転職できるケースがあります。その場合は、基本的には従前の監理団体(組合)が次の勤務先を探すのですが、監理団体が次の勤務先を見つけられない場合には、技能実習機構も支援することになっています。
監理団体は人材紹介が最大のサービスです。職を失った実習生が優秀であれば、みすみす手放すことはなく、なんとかして次の勤務先を見つけ出すものです。逆に、トラブルを引き起こすタイプの実習生であれば、積極的に次の勤務先を探さず、技能実習機構に流してしまいます。つまり、技能実習機構経由で勤務先を探しているということは、監理団体から「この実習生をこれ以上抱えていたくない」と判断された可能性が高いのです。
この実習生はどんな人間だろうか…?
さて、今回の実習生(以下、Aとします)はどんな人間でしょうか。本当に「理不尽な暴力から命からがら逃げだした、かわいそうな実習生」でしょうか?少し想像してみることにします。
真っ先に浮かぶ疑問は、「無職だった半年間の生活費はどうしていたのか」です。電話口で技能実習機構に聞いても、「そこまではわかりません…」という回答でした。残念ながら、Aが日本で合法に生活費を稼ぐ手段はありません。一番ましなのが「日雇いのバイトで食いつないだ」ですが、入管の許可を得ていないため、不法就労にあたります。最悪の場合は、犯罪行為(いわゆる闇バイトや、時折報道される外国人による窃盗など…)です。
次の感想は、「随分と高い要求だなあ…」です。技能実習機構の統計では、日本に来てから4年目、5年目の「技能実習3号」の平均給与が22万強ですから、3か月しかまともに働いていない実習生が24万円を要求するのは普通ではありません。(大卒の初任給も24万円に届かないところが大半です。日本語でのコミュニケーションもおぼつかない、めだったスキルもない人間に24万円も払う会社がいくつあるのでしょうか…)
最後に思うことは、「N5取得に向けて勉強中かあ…」です。N5は、日本語能力試験の一番下のレベルで、約100時間の勉強で合格できると言われています。日本に来る前に取得する人も少なくなく、「取得に向けて勉強する」ような代物ではありません。日本に半年以上いてそのレベルでは、Aと日本語でコミュニケーションをとるのは難しいでしょう。
技能実習機構への愚痴
欲を言えば、ろくでもない人間を斡旋しようとしないでほしい。判明しているだけでも、能力は人並み以下、要求は過大、99%犯罪歴のある人間なのだから。
ただ、技能実習機構の立場もわかる。お役所が、助けを求めてきた実習生を無下にするわけにはいかない。とはいえ、犯罪歴の調査くらいは行うべきだろう。半年間、ただ友人の家で寝ていたとは思えない。不法就労を行っていたことはほぼ間違いなく、その過程で在留カードやパスポートの偽造、闇バイトや窃盗などさらなる違法行為に関与している可能性も高い。せめてそれくらいは調査したうえで斡旋してもらえないだろうか…