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【読後感】宜保愛子『宜保愛子の幸せを呼ぶ守護霊』大陸書房、1991年

 宜保ぎぼ愛子(1932〜2003)は霊能者。1990年前後にテレビにも出て時代の寵児となった。背筋が凍りつくような霊の怖い話もできれば、愛のある守護霊の話もできる。
 私は当時、半信半疑で彼女を知ったが、本当の霊能者か分からないながらも、具体的に霊の話をするので説得力はあった。
 あれから30年の月日が流れた。彼女も亡くなった。そんな頃、私は全く関係のない二人から宜保愛子は本物だったと聞いたことがある。特に、その一人は親戚に霊感のある人がいて、彼女は自分と同じ見方をすると聞いている。おそらく霊視で同じ体験をするのだろう。そういった話から、宜保愛子は本物の霊能者と思うようになった。そして、彼女の言葉を信じるようになった。彼女が亡くなった後、彼女の本を読むようになった。私は霊感がないので、地縛霊のような人に迷惑をかけ苦しめる存在は受け止められないが、守護霊のような人を助ける霊ならいてほしいし、私にもついてくれたらありがたいと思っている。そんないきさつで本書をインターネットで見つけて、書名だけで決めて古本で手に入れた。

 書名にある通り守護霊の話を中心に本書は書かれている。ただ、守護霊の話をするために、霊障という生きている人を苦しめる霊の悪行にもいくらか触れている。それでも、全体的には明るく前向きな生きる希望を持てる守護霊の話が随所に見られる。
 彼女の霊視をした経験、自分の霊的な体験など具体例が多くを占めていて読みやすい。
 宜保氏の霊に対する基本的な考えも本書では書かれている。

「私の霊に対する概念のベースとなっているのは、ご先祖の魂の輪廻転生であって、一つの宗教に固執するのとは違います。自分にもっとも身近な存在であるご先祖をまつる、それが幸せを招くための基本だと考えています。」(104頁)

 それはご先祖の供養といってもいいだろう。彼女は守護霊と宗教は関係がないと書いている。むしろ、宗教にこりかたまったために、それまでついていた守護霊がいなくなる例がたくさんあるほどだから、彼女が説明してきた霊界のメッセージと宗教とは、特別の関わりはないとの事。(172頁)宗教は悪霊のつかない心への導きになり、人の生きるべき道を説くものであると。

「私にはとくに宗教色はありませんが、(亡くなった守護霊の)母の写真や兄・弟の名前を心のなかで呼び、合掌して煩悩を断ち切るように努力し、いつも自分の心身を鍛えています。この方法ならば私個人でできますから、特定の宗教団体に入って信仰に身を捧げる必要がないわけです。とはいっても仏さまの存在を常時意識し、先祖が大事にしていた宗派をそのまま守っています。ご先祖をご供養することは、供養する本人はもとより、子孫にも幸運がもたらされることにつながるのです。これについては仏さまとの会話から十分証明されていることです。」(180頁)

 また、彼女はこうも言っている。

「ご先祖を供養するだけで守護霊がつくかといえばそうではありません。ただ朝から晩まで毎日仏さまに手を合わせていても駄目です。目標をもって自ら最善の努力をして生きる姿勢があってこそ、守護霊の援助を期待できるのです。」(115頁)「努力すれば守護霊はよりよい方向へと導いていってくれます。1+1=2以上の付加価値を与える働きをするもの、それが守護霊です。人間は本質的に努力すべきものとして生まれてきていますから、その生来の本質を忘れてはいけません。」(116頁)

 宜保氏は本物の霊能者であると同時に、常識があり、人を長い目で見る愛のある大人である。
 宜保愛子の言葉は、今も私の心の中で生きている。



【宜保愛子の供養法】

 宜保愛子の供養法は幾つかあるようだが、私は彼女の別の本(『生まれ変わりの秘密』講談社、1993)で知った供養法をよく行っている。

1. 欠けていないコップに水か故人の好きな飲み物をいれ、テーブルの端か仏壇に置く。
2. 故人の名前を呼ぶ。
3. その人の好きな物をテーブルに置いても良い。
4. その人の好きな音楽をかけるのも供養になる。
5. 1回の供養は10〜15分で十分供養になる。
6. 供養した飲食物は生きている人が頂く。

 生きている人と守護霊との関係は、give and take。供養をしない人には守護霊は助けてくれないらしい。だが、供養をしてほしくて、守護霊から手を差し伸べることはあるという。守護霊は供養をされると、とても喜ぶらしい。守護霊にとっては命日が大切とのこと。

 余談だが、ペットの供養も良いことがあるかもしれない。ただ、ペットを人間の墓に一緒に埋葬してはいけない。死んだペットの霊の方が人の霊と一緒にされるのを嫌がるから。それは人間のわがままだから。

 宜保愛子は霊を信じない人に強制はしない。たまたま、自分は霊感があり、霊を認めるしかない体験をしてきたからと。

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