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医療現場のリアルを公開。突然の事故や病気による障害、余命宣告をされた患者さんたちの言葉から教えられる人生や命についてを語っています。
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#医療従事者

災害医療の現場で起こる命の戦い①

はじめにある本を読んで深く災害について考えさせられることがありましたので、今回はそのことについて触れていきたいと思います。 その本とは下にも出ていますように「ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い」という本です。 この本は災害対策本部で働いたある医師を主人公として、あの地震発生からの9日間、災害対策本部ではどんなことが起きていたのか、災害現場ではどんなことが起きていたのかを生半しく書いてあります。 私はこの本を子供が昼寝をしている時間で一気に読んでしまいました。災害に関

non-fiction/早く旦那のところへ行きたいと言う患者さん

「もうここらでいいわ。早く旦那のところへ連れてって言ってください。」 「もうリハビリは良いです。」 こう言われた。 聞くと旦那さんは10年以上前に先立たれたようだ。 旦那さんは人柄も良く、常に優しい人で夫婦でたくさんの場所に旅行に行ったことが忘れられないと。 今、患者さんは重い脳の病気になったが、奇跡的にも回復し歩けるようになっている。 でも 「もうここらでいいわ。早く旦那のところへ連れてって言ってください。」 「もうリハビリは良いです。」 と言いあまりリハ

ある患者さんの一言「私が病気でよかった」

医療現場には多くの患者さんが入院をしてきます。 スポーツで怪我をした人 事故をした人 病気になった人 そのほとんどの人がリハビリが必要となります。 何百人と患者さんと出会ってきましたが、今回はその中の1人の患者さんとのエピソードを紹介したいと思います。 ある患者さんの「私が病気でよかった」の一言その女性はもう半年以上も病気と闘うために入院をしていました。 体調もよくない日々が続き、起き上がることすら出来ない日も多くあるような方です。 私も病気や治療のことについ

亡くなった友達が教えてくれた大切なこと

私の友達が教えてくれたこと私の高校の同級生は、がんにかかってこの世を去りました。 私はその友達から時間と命の大切さを教えられました。 今を生きるこの時、1秒1秒は当たり前に存在しているのではないということ。 そしてこの刹那を生きる命は当たり前に存在しているのではないということ。 親しい友達の死を目の前にしてこの2つが今でもずっと心に突き刺さっています。 私の友達の心の強さその友達とは部活も同じで、クラスも同じでした。 友達が、がんだと分かったのは、大学生のときです

医療者から皆へ「お礼を言うのはこっちの方」

コロナと闘う医療現場で働く医療従事者に対して感謝のメッセージが届けられています。 確かに医療者は最前線で闘っていて大変だというイメージがあるでしょう。 ただ、私たち医療者から言わせれば、「お礼をいうのはこっちの方」です。 今、こうして医療が出来ているのは他ならぬ今の社会を支えている他職種の方々がいるからです。 お礼を言いたいみんなとは医療現場ではマスク、ガウンなどが不足した為に通常の医療を十分に続けること(得に手術など)困難な状況になりました。 運送業の方々は多くの