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医療現場のリアルを公開。突然の事故や病気による障害、余命宣告をされた患者さんたちの言葉から教えられる人生や命についてを語っています。
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Twitterの中の世界の言葉とは

こんにちは!記事を読んで下さってありがとうございます!理学療法士として大学病院で勤務している者です! さて、今回の記事は私が運営するYouTubeチャンネル「リハビリ・ラボ」でも紹介していた内容のものになります。 タイトルにもありますように、Twitterの中の世界の言葉についてです。 皆さん、Twitterしていますか?私は恥ずかしながら昨年から本格的に使用しはじめました。それまでDLはしていても全く使用していなかったのですが、2020年8月ごろより「よし!使用してみ

災害医療の現場で起こる命の戦い①

はじめにある本を読んで深く災害について考えさせられることがありましたので、今回はそのことについて触れていきたいと思います。 その本とは下にも出ていますように「ナインデイズ 岩手県災害対策本部の闘い」という本です。 この本は災害対策本部で働いたある医師を主人公として、あの地震発生からの9日間、災害対策本部ではどんなことが起きていたのか、災害現場ではどんなことが起きていたのかを生半しく書いてあります。 私はこの本を子供が昼寝をしている時間で一気に読んでしまいました。災害に関

今、お父ちゃん焼いている時間だわ

「今、お父ちゃん焼いている時間だわ」 ある日、リハビリを行うために患者さんのお部屋に行った際に患者さんから開口一番に言われた一言がこれでした。 私が担当していた患者さんの旦那さんは別の病院で入院中でした。夫婦揃って病気で入院をしていたのです。それも別々の病院で。 互いにかなり重症でお互いの病院を行き来することはできない状況が長く続きました。 そんな時、患者さんの旦那さんは亡くなりました。 死目にも会えず、葬式にも出られずの患者さんは今、何を思うのでしょうか。 「今

こける医者、ほくそ笑む私

私は理学療法士として病院で働いています。 この記事はstand.fmでも音声のみで配信をしていますので、読まなくても大丈夫です。 今回の記事はタイトル通りですね。 こける医者、ほくそ笑む私です。 ある日、病棟の廊下を何気なく歩いていたら、スマホを片手にスタスタと歩いている医者が私の前にいるではありませんか。 病院でスマホを見ながら、つまり歩きスマホ・・・だめな人ね・・なんて思いながらその医者の後を歩いていた私。 すると突然、私の視界から医者が消えたではありませんか

その家族の自撮りの意味、病院でのある光景

今回の記事はstand.fm「病院あるある探検隊」でも紹介した内容です。stand.fmでは今回の記事を音声で聞くことができます。 ある日の夕方、 私は、息子の保育園のお迎えのために足早に職場の敷地内を歩いている時でした。 「息子は泣いていないかな」 「今日は保育園で楽しんだかな」 と思いながら歩いている時、 私の歩行速度が急に遅くなりました。 それは目の前の光景に目を奪われたからでした。 敷地内のベンチに座る母親と病気を抱えた子供の姿。 子供はおそらく重度

ありがとう、患者さん

また1人、患者さんがお亡くなりになられました。 初めて会った時は、リハビリは完全拒否で全くやってくれなかった方で非常に大変でした。 他愛のない雑談を繰り返す内にだんだんと打ち解けてきて、少しずつリハビリができるようになって、笑いが生まれるようになって・・・ でも、病気は治らない病気・・・どんどん身体状況は悪化していく・・・ 笑顔がみられない日も出てきて、だんだんとリハビリもできるような状態ではなくなって 私もお部屋にいくのが辛くなってきて、足が重くなることもありまし

non-fiction/早く旦那のところへ行きたいと言う患者さん

「もうここらでいいわ。早く旦那のところへ連れてって言ってください。」 「もうリハビリは良いです。」 こう言われた。 聞くと旦那さんは10年以上前に先立たれたようだ。 旦那さんは人柄も良く、常に優しい人で夫婦でたくさんの場所に旅行に行ったことが忘れられないと。 今、患者さんは重い脳の病気になったが、奇跡的にも回復し歩けるようになっている。 でも 「もうここらでいいわ。早く旦那のところへ連れてって言ってください。」 「もうリハビリは良いです。」 と言いあまりリハ

余命1ヶ月のこの人と私の間に流れる時間

「あーこの人は余命1ヶ月とさっき医師から告げられたんだったな。」 今は昔、私の目の前にいる担当患者さんは、家族に向けて遺書を書いている。 そんな大切な時に、「リハビリを一緒にしよう」と病室にきてしまった。 余命1ヶ月のこの人は、看護師さんから借りたバインダーに真っ白なコピー用紙を挟んで何と書こうとしていたのだろう。 確か子供はまだ私と同じくらいの年齢だったな。 「失敗した・・・もう少し時間をあけてくれば良かった」と思っていたその時、この人は「お、来たか。やるか。」と

「本当に幸せだったのか」に気づくとき

亡くなる直前の患者さんが言っていたのを思い出した 「最期の最期で幸せな人生だったかどうかがようやくわかった」 「俺はどうやら幸せだったみたいだ」 「今になって色んなことを思い出すよ」 「若気のいたり、妻との出会い、子供たちの誕生と成長」 「こんなにたくさんの思い出があったんだな」 「◯◯くん(私のこと)、俺はもうすぐ逝くんだろ、なんとなく分かるよ」 「俺はどうやら幸せだったみたいだ。今まで逝くのが怖かったけど、 これでやっと逝ける気がするよ。幸せだったことに気づ

自分の幸せ軸は

私は30代男性 1児の新米パパだ 仕事もおもいっきりしたいからどんだけ働いても苦痛はあまりない でもそれをすると子供との時間がなくなる 優先順位などはつけられない どちらも大切 この大切なものを載せた天秤の上で右往左往する私の「幸せ軸」 そんな時、1冊の本に書かれていた言葉が印象に残った 三浦崇宏さんの「言語化力」だ ​ この本では文字通り言葉が持つ力について書かれてある本だが、結構おもしろい この本の中で幸せについて考える章の中の言葉が妙にささった 自

だから私は病院で賢明に働く

私が病院で働く理由 死は誰もが最も怖いものだと思っていた 死よりも怖いものがあるのか 誰かが誰かを傷つけ、殺し 自分で自分の命を終わらせる 人はこんなことをするために 命をつないできたんじゃない このような悲しみ、苦しみの連鎖を続けさせない 明日を臨む人たちの力になりたい だから私は今日も病院で賢明に働く 思いも寄らない人生の大転換となる 突然の事故や病気 日々の当たり前が瞬時にして崩れる瞬間 生きていた時間は決して当たり前に存在しているものではなかったと 気づ

みんな、いつからそんな風になった

いつからみんな、そんな風になった 今この時も私が勤務する病院では、病気と真剣に闘っている患者さんがたくさんいます。 産まれつき心臓の病気を抱えた0歳の子供 30歳代、仕事も子育てもこれからという時に、がん発病 一生治らない難病と診断された40歳代の働き盛り 例をあげればきりがないくらい、たくさんの人が今も自分の命や人生、そして家族とのことについて真剣に向き合っています。 ちょっとした嫉妬心や恨み、妬みなどが原因で殺人事件が起こっています。家族内で、無差別で。 自

競泳/池江璃花子選手から力をもらっている患者さんたちがいる

今日、私は競泳の池江璃花子選手から生きる力をもらっているがんの患者さんと出会いました。 池江選手と同じがんの病気で闘っている患者さんです。 おい、池江選手の泳ぎ見たぞ先日、池江選手が練習を再会している様子がニュースなどの情報番組で放送されました。 無事に治療を終え、プールで練習をする姿に誰もが感動したと思います。 かくいう私も嬉しかったです。 番組の中で池江選手は「得意のバタフライや自由形の泳ぎを確認するなど、およそ2時間をかけて3000メートル余りを泳いだこと」「東

「知ったかぶり人間」が人生を楽しむ方法

ちょっと知っているだけなのにあたかも全て知っているような気分になってはいないですか? 私もみんなも知ったかぶり人間です。知ったかぶりでいるとその先のことをもっと知ろうという気がおきません。 だから「毎日がつまらない」「平凡な毎日」になるのです。 現状を変えたいと思っている人は、まず自分が「知ったかぶり人間」だと認めることから始めましょう。そこから人生はもっと前に進み始めます。 私も「知ったかぶり人間」の1人私は医療従事者なので、医療のことは多少はわかります。 でも私