バイバイ、たらればさん。
「先が短いので、いろいろやっています」
ずっとお世話になっている方から、メールが届いた。
「明日がわからないのは、みんな同じです」
と、返信した。
私の親世代の方に、失礼なお返事だったかもしれない。
だけど、先が短いか長いいかなんて誰にもわからない。
だから、いろいろやる。
それで、いいのだ。
***
すこし前のこと、わたしは#キナリ杯に応募した。
そして、賞金を獲ったらこんなことやってやる! と、妄想した。
結果、妄想だけがわたしの手元にのこった。
ときを同じくして、別に応募していた企画の選考結果が届いた。
なんと、選考通過!
捨てる神あれば、拾う神あり。
うれしくて、SNSでみんなに報告。
いいね! をもらう。
よろこんだのも束の間、通知ミスだと連絡入る。
SNSで間違い報告。
悲しいやら恥ずかしいやら。
天国と地獄。
さまに、運動会。
走るしかなかった。
なんのために?
結果、徒労だけがわたしの心身にのこった。
賞金を得たら、選考が通れば、
誰かに認められたら、評価されれば、
あんなこと、こんなこと、
やろうと思ってたんだけどなぁ‥‥。
妄想と徒労でぼんやりした頭の片隅で、思った。
なんで、こんなことばっかりなんだろう。
じぶんの思い描いていた先に、たどりつけない。
そのきっかけが欲しかっただけなのに‥‥。
あれ? なんかおかしくない!?
きっかけは、誰かにもらうものだっけ?
ちがう、ちがう。
きっかけは、じぶんがつくるもの!
やるか、やらないか。
ただ、それだけ。
賞金を得たら、選考が通れば、
誰かに認められたら、評価されれば、
そんな「たられば」なんて、もう、いらない。
たらればさんに別れを告げた。
***
たらればさんと決別すると、心身ともに軽くなった気がする。
なんにも条件なんて、ない。
なんにも資格なんて、ない。
自由だ!!!!!
とりあえず、妄想を妄想でおわらせないようにしてみるか。
やりはじめてから約1ヶ月、ぼちぼちカタチになってきた。
なんだ、やればできるじゃないか。
できないことを想像するのが妄想だけど、
はじめの一歩をふみだせば、
けっこう遠くまで行けるもんだ。
そんなときの、あのメール。
「先が短いので、いろいろやっています」
「明日がわからないのは、みんな同じです」
たらればさんにかまっていたら、なにもできない。
先は短いかもしれないし、長いかもしれない。
あしたのことはわからない。
だから、いろいろやる。
バイバイ、たらればさん。
ウェルカム、いまのわたし。
それで、いいのだ。
カタチになった妄想は、また後日。