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【企画参加】2024年「私の一冊」
とあるnoteの企画にお誘い頂いてから
約2週間が経ってしまった。
その企画とはこちら。
私がnoteで長らくお世話になっている八田零(ゼロ)さんが
開催された企画、2024年「私の一冊」である。
この企画にお誘い頂いたとき、
自分にとって今年の一冊は何だろうかと考えてみると
頭に何冊か候補が浮かんできた。
だが、そこからどうにも1冊に絞ることができず、
ズルズルと2週間もの期間が開いてしまったのだ。
では、結局2024年「私の一冊」は決まらなかったのかというと、
決してそうではない。
簡単に書いているブックレビューを見返した結果、
こちらの本を2024年「私の一冊」としてご紹介したいと思う。
実はこの本は私の記事の中でも
ご紹介したことがある本でもあるのだが、
今年読んだ数々の本の中で最も私が衝撃を受けたのが
この本なのでこの企画で紹介させて頂くことにした。
この本は作家、画家、建築家など色々な肩書をお持ちの
坂口恭平さんが書かれた本で、
ご自身が主人公として出てくる自伝のような物語の中に
突如ジムという男が登場する話である。
そのジムのアドバイスに基づいて坂口さんは
”事務”という概念を手にし、実行していく中で
確実に自分が望む人生をつかんでいく。
こうしてあらすじだけを紹介すると
よくある類の本の様に思われるかもしれない。
だが、この本で紹介されている”事務”という概念は
私達が理解している事務というものとは異なり、
とてもシンプルだけど大切なものなのである。
私はこれまで将来の夢というものを
とても漠然と何度も考え続けてきた。
だが、自分でも一体どうなりたいのかが
イマイチつかめなかった。
そんなとき周りを見ると、夢に向かって進む人が
目について自分は置いていかれているような
気持ちになったことは何度もある。
だが、この本で言われる”事務”とは
将来の夢ではなく将来の現実を考え、
そこに向かうためにやるべきことを逆算して
着実に進んでいくというものであった。
このプロセスで将来の夢ではなく将来の現実を
想像してみると、
少しずつではあるが自分がどうしていたいのか、
どんなことを望んでいるのかが
見えるようになってきた。
それと同時に、自分が将来どうしていたいのか想像ができると、
不思議な事に気持ちが妙に楽になり、
そこに向かって進んでいく推進力が
勝手に生まれていくような気がしたのだ。
私と同じように夢難民になっている人は
案外多いのではないかと思う。
周りの人に将来のことを聞いても、
明確にどうしていたいと答える人は少ないし、
実際そこに向かって何か行動をしている人は
あまり見たことがない。
だが、人は自分がどうありたいかを
具体的に想像できたならば、
自然と推進力を得て進むことができる生き物なのだ。
ところが、せっかくこの推進力を手にしても
私達は必ず何かに躓き、動きを止めてしまう。
私達が前に進む際には色んな凹凸があるのだが、
私達が乗る乗り物はそこがフラットなので
どうしても引っかかってしまうからである。
そこで必要な概念こそが”事務”である。
引っかかりがあるならば、どうすれば前に進めるのかを
考えて、着実にそれを実行していけばいいのである。
そうして事務を着実にこなしていくと
私達は知らぬ間に前に進み、
結果として願った将来の願望に近づいていく。
こうして私がこの本の内容を説明すると、
とても当たり前のことが書かれている
つまらない本ではないかと思われるかもしれないが、
そう思われる方こそぜひ一度この本を手にして
ご自身で読んでみて頂きたい。
書かれていること自体は
とても当たり前のことのはずなのに、
本書を読みながら振り返ってみると
自分にできていなかったことが
とても明確になってくるはずである。
今年の夏、私はこの本に出会い、
それ以降頭の中のジムと時々会話をしている。
なかなか私が目指す将来の現実は遠いが、
着実に事務をこなし、前に進めていると実感している。
今年も年末が近づいてきたが、
漫画のような感じでとても読みやすい本なので
ぜひ来年が来る前にあなたの頭の中にも
ジムを置いてみてはいかがだろうか。