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有休取得でなぜ謝るのか?

怒ると怖い人。

私は見た目のおかげで周りからは優しい人と
見られることが多い。

これは子供のころからなので、
私自身その見た目の印象に合わせて
周りには穏やかに接するように意識していた。

かといって別に演じているわけではなく、
自分自身それで苦しさを感じることもなかったので
実際に私自身は優しい人なのであろう。(←自分で言う)

だが、そんな優しい人は冒頭の言葉を
周りから言われることが多い。

日ごろ優しいがゆえに逆に怒ると
そのギャップで怖さが増すというのだ。

とは言え、私自身人前で感情を露わにしたことは
社会人になってから思い当たらないので
恐らく周りの人の想像の産物なのだろう。

そんな私であるが、この歳になって自分でも
頑固だなと思うことが時々でてきた。

色んなことを学び、経験していく中で
自分なりのルールというかポリシーのようなものが
出来上がっていき、
世の中にある暗黙の了解に対して抗ってしまうことが
しばしばあるのだ。

昨日の記事に書いたように金曜日は
子供たちの学校イベントに参加するため
私は会社に有給休暇を取得した。

有休休暇を取得するために業務を色々と
調整してきたし、
私が休むことで特段誰かに迷惑をかけるものでもない。

そう思いながら私は職場の朝礼に参加した。

全体に関わる連絡事項が話されたあとに、
個人で何か連絡があるかと問われた際に、
私は翌日有休をとることを言おうとした。

別にオフィスの人全員に知ってもらう必要はないが、
少なくとも近くにいる人には知ってもらっているほうが
社内別部署からの問い合わせや電話取次の際に
スムーズになるからである。

そうして私が手を上げようとしたとき、
私の斜め前に座るAさんがおもむろに手をあげた。

内容は私と同じく金曜日に有休を取得するというもの。

だが、私はAさんの言い方が妙に気になってしまった。

「大変申し訳ないのですが、明日は定期診療のため
終日お休みをいただきます」

Aさんはこのように言ったのである。

何だかモヤモヤするもののAさんに続いて
私も有休をとることを言ったのだが、
私は「明日、お休みをいただきます」のみを述べた。

私も子供たちの親をしているので
子供たちが急な発熱などをして当日急遽有休を
申請したことはある。

その時には当日予定していた内容を変更したり
予定をリスケジュールするなどして、
関わる人の予定に影響してしまったので
私も後で「昨日は突然すみませんでした」などと
言ったことは何度かある。

だが、昨日の有休に関しては予め取得にむけて
調整はしていたし、
前日の朝礼での発表なので、その日に調整することも
十分にできるはずである。

なので、基本的には「大変申し訳ないのですが」などと
周りに謝罪の気持ちを述べる必要は何もないはずである。

しかも、Aさんは自分が有休を使う理由を
わざわざ述べていた。

Aさんが理由を述べた背景には
やむにやまれぬ事情で有休を取得することを
伝えておきたかったのかもしれない。

だが、有休を使うことはそんなに悪いことであろうか。

答えはNoである。

本来有休を使う理由は周りに述べる必要はないし、
仮に有休申請した日に業務都合が悪ければ
申請を受けた上司との間で調整が行われるはずである。

朝礼の場でオフィスの方々に「それならやむを得ない」と
納得を頂いたうえでないと取得できないなどというルールは
どこにもない。

これはAさんに限ったことではない。

過去から職場で有休を取得する際には
このような報告をする人がおり、
私はそのたびにモヤモヤしてきた。

先ほど書いたように私は便宜上、
朝礼の場で有休取得の報告をしているが、
本当はそんな報告などなく、社内カレンダーに「有休」と
書くだけでも十分だと思っている。

労働者が自分たちの権利ばかりを主張しては
組織が上手く回らないのは理解しているし、
何も有休は労働者の権利だから報告など要らないと
述べているのではない。

だが、私がAさんのような報告の仕方をすることで
私の部下たちは間違いなく有休を取得することの
ハードルが上がってしまうであろう。

数年前より有給休暇が10日以上付与される労働者は
最低5日以上取得しなければならないルールになった。

こうすることで諸外国に比べて極めて低い
我が国の有休取得率を上げようとしてきた。

だが、これは本当に意味があることだろうか。

以前、16時頃に帰宅しようとする管理職がいたので
「今からご出張ですか?」と尋ねると、
「例の5日間のために、今日は実は有休なんや」
などと言いながらその人は嬉しそうに笑っていた。

その人は仕事が楽しくて仕方ないのかもしれないし、
5日の有休もイヤイヤ取得するのかもしれない。

だが、それでは決してその人の部下は
有休をとりやすくならないであろうし、
下手をすれば有休の日まで仕事のことを
考えておかなくてはならないと思ってしまうだろう。

本来有休の取得率を上げるためにすべきことは
強制的に5日以上取得させることではなく、
有休休暇に対する捉え方や言い方を変えることでは
ないだろうか。

関係する人に話す目的で有休取得することを
周りに言っておくことはあってもいいが、
休む理由や、取得することに対する謝罪などは
口にしてはならないと私は思う。

そんな気持ちが表に出ていたのであろう。

朝礼が終わったあと、私の目の前にいたBさんに
「朝礼の時〇〇さん(私の苗字)の顔、しかめっ面やったで」
と言われてしまった。

実はこういう何気ない表情の変化から
周りの人は私のことを
「怒ると怖い人」と感じているのかもしれない。

そんなことを思った平日の朝であった。

こうしてモヤモヤを抱えながら取得した有休当日に
参加した子供たちのイベントでモヤモヤしてしまった。

犬も歩けば棒に当たるように
私は何かするとモヤモヤに当たるのかもしれない。


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