意外な組み合わせに活路あり
昨日から家族で実家に帰ってきた。
子供達はばあばの作るごはんが食べられるので
行く前からテンションが高め。
だが、大人はなかなか気をつかう。
妻にとって義実家なので居心地が悪いことを
考慮しなくてはならないし、
母の話も聞いてやらねばならない。
間に挟まれると言うと
大袈裟に思うかもしれないが、
実家に帰る時にはいつもそんな気持ちがある。
そんな思いを抱えながら昨日も無事に
実家に到着した。
ちょうど昼時に着いて、
早速ばあばの料理をガッツく子供達。
朝も食べさせたはずなのだが
様子的には朝を食べてない子供のようである。
そうして食事がひと段落した後、
一つの疑問が妻から出された。
「今日、これからどうする?」
この質問には二つの意味が込められていると
私は一瞬にして解釈した。
⓵あなたが予定を先導して決めよ
⓶私のやりたくないことはわかってるよね
とはいえ、私とて何もノープランではない。
妻の質問に間髪入れずにこう提案した。
「久々にゲーセンいかへん?」
ゲーセンといっても単なるゲームセンターではない。
実家から車で10分の距離にある
ボーリング場に併設されたゲームセンターは
たくさんのクレーンゲームと合わせて
バッティングセンターや、カラオケ、
そしてビリヤード、卓球、ダーツなど
なんでも出来てしまう場所である。
それを説明すると飛び跳ねて喜ぶ子供達。
どうやら子供達はクレーンゲームが
したいらしい。
妻の顔を見てみると納得したような
表情であった。
暑さも回避して、それなりに距離感を保てる
いいチョイスだと判断してもらえたらしい。
早速私の車に皆で乗り込み、
まずはクレーンゲームに興じた。
届きそうで掴めないイチゴのように
なかなか取れない自分をI'm proudしながら
子供達とクレーンゲームを楽しむ私。
一通り遊んだ後、次はバッティングセンターに
行ってみることにした。
友達と野球を遊びでやっている息子は
いいところを見せようと張り切るが
どうにも当たらない。
小学生が遊びで投げる球とは
速さが違うので完全に振り遅れている。
息子にそれを指摘するもなかなか
修正できず、
お手本を私が見せることにした。
久々に握るバットに緊張しながらも
軽くスイングすると
手にボールの重みがドシンと伝わってきた。
「おおっ」と驚く息子。
バッティングが得意なわけではないが
私は一つコツを知っている。
それはバットを振ろうとしないことである。
振るというよりも当てに行く気持ちでやると
不思議なほどボールにあたり、
気持ちよくバッティングセンターを楽しめるのだ。
それを息子に伝え、再び打席を交代したが
結局息子には最後まで掴めなかったらしい。
少し残念そうではあるが、
爽快そうな笑顔を見せる息子。
妻と娘はその様子を外から眺めていたのだが、
ふととなりの打席を見てみると
私の母が立っていた。
母はまもなく後期高齢者に足を踏み入れるが
何事に対してもアグレッシブ。
最初はなかなか当たらなかったものの
途中からボールに擦り始め、
後半には快調にボールを前に飛ばし始めた。
その姿に驚いていると、
母はもう30球打つと言う。
どうやら彼女の中で何かハマってしまったらしい。
結局そこからみっちり打って
その日は帰ることになったのだが、
母は今度一人で打ちにくると言っていた。
高齢者とバッティングセンターという
一見完全なミスマッチが
案外ピッタリハマったのであろう。
人生何と何が合うかはわからないものである。
これからさらに高齢者の割合は
増えていくことが確定しているが、
案外高齢者の割合が増えてもこのような
エンタメは人気が落ちないのかもしれない。
平日はシルバー割引などを取り入れれば
平日のアイドルタイムに高齢者を取り込めるだろうし、
なんならレッスンなどもできれば面白そうである。
暗い未来の話ばかりがついつい出がちだが、
明るい未来も想像次第では
いくらでも出てくるものなのだ。
そんなことに気が付いた1日であった。
ちなみに今日変な場所に
筋肉痛が起こっているのは
ここだけの話である。