すごい共感マネジメント 中田仁之を読んで
こんにちは。
今日は中田仁之さんが2018年に発行された
すごい共感マネジメント
をご紹介します。
本書の筆者の中田仁之さんは幼少より野球を
続けられ、大学時代に大学選抜に選ばれた
経験をお持ちで、コンサルティング会社の
営業を経て現在株式会社S.K.Yの代表取締役を
されてます。
1.本書をなぜ手に取ったのか?
いつも本を紹介する際には概要から書くのですが
今回は私が本書を手に取った理由を最初に
お伝えしたいと思います。
プロフィールにも書いていますが、
私は企業で商品開発の仕事をしており
若手の部下がいます。
そのなかでも一人の部下との関係で悩んでいました。
その部下は完全な指示待ちタイプで、
自分から報告もあげてこないし、相談もない
指示しなければただジッとしてる
そういうタイプです。
部下が新卒で配属となってからというものの
色んな試行錯誤を繰り返してみましたが、
これといった効果がなく悩んでいた時に
本書のタイトルをみて「これや!」と思い
迷わずに手に取りました。
今回本書を読んでみて色々なアクションプランが
自分の中で明確になったので、その辺りも含めて
本書をご紹介したいと思います。
2.本書の概要
タイトルの通り、本書は私のように部下がいる
リーダーに向けて書かれた本です。
まず前提として、会社を変えて成果を出していくのは
リーダーであることを認識することが重要だと
本書の冒頭で述べられています。
これって当然といえば当然ですが、
部下がしっかりと成果を出して、それを正しい方向に
導いてやれば会社としても成果を出すことができる。
そして成果を生み出すプレーをするのはやはり部下なので
リーダーである私たちはどうやって部下が成果を
だせるようにするかで結果は大きく変わるんです。
でも私の感覚から見ても、企業のリーダーと呼ばれる
人は自分がプレーヤーとしてする仕事に追われていて
部下に成果を出させるようにマネジメントに意識が
向いていない人って結構多いような気もします。
何を隠そう私もそうだったんです。
部下を評価、評論するためにリーダーいるんじゃなく
部下にエネルギーを与え導き、共に戦う存在と
なることが重要で、そのために「共感力」が
重要だと筆者は書いています。
では、この前提を知ったうえで私たちは
どのような行動をするべきなのかをご紹介します。
共感力をマネジメントするには5つの手順があります。
①感謝を伝える
②可能性を信じる
③誤った行為を叱る
④感情を共有する
⑤チーム心を養う
それぞれの手順について様々な内容が書かれて
いるのですが、今回は私自信が実践できていなかった
または意識していなかったと感じた部分を
ピックアップしてご紹介します。
①感謝を伝える
一番最初のステップで、色んなビジネス書の中に
必ずと言ってもいいぐらい出てくる感謝について
本書でも最初のステップとして書かれています。
「ありがとう」を伝えることって大切であると
言われているものの、思うような成果も出せない
部下に何を感謝したらいいのかわからない。
と思う方もいるかもしれませんが、
毎日送れずに出社してくることや、お客様の
ところに出向いていくことも、決して
当たり前のことではないですよね。
毎日綺麗にひげをそって髪の毛も整えて
出社してくるのってすごい労力です。
そういう何気ないことへの感謝をちゃんと
言葉で伝えることって実はできていないと
私自身も反省しました。
訓練することで感謝することはだれでもしっかりと
できるようになるそうなので、
日頃からまず感謝の気持ちを口に出すように
意識をすることが重要です。
会社は常に成長を目指す使命があります。
そのために売り上げを伸ばすわけですが
企業の売り上げを伸ばすということは
社会からの「ありがとう」の数を
伸ばすことであるはずなのに、社員が苦しむのって
やっぱりおかしいですよね。
会社はボーナスなどで還元はしていますが
やっぱり実際に行動している部下に対して
感謝の気持ちをしっかりと伝えることは
全ての根幹になっています。
リーダーが部下に対して感謝の気持ちを伝えることで
部下にも感謝の気持ちが伝わり、会社全体の
ムードにも大きな影響を与えると筆者は言っています。
そして部下に感謝を伝えると同時に大事なのが
「承認」することです。
承認というと、どうしても成果に対する承認と
考えられがちですが、部下のやる気を高めるためには
プロセスを承認し、さらには存在そのものを承認する
ことが大切であると書かれています。
どうしてもビジネスの場では成果を求めるあまり
成果だけに目を向けてしまいまう傾向が私もあります。
そのこと自体はプレーヤーとしては悪いことはないと
私は思いますが、共感力マネジメントという観点では
足りなかった点であると感じました。
なお、存在そのもののを承認する際には
部下に対して「あなたは重要なメンバーの一人である」
ことを伝えるのが重要です。
②可能性を信じる
部下を育成して成果を出せるようにするには
ものすごい時間がかかります。
しかし、その際に自分がその仕事をやってしまったり
部下には無理だと考えてしまうことは育成の芽を
摘んでしまいます。
そのためには部下が成長することをリーダーが
強く信じてやり、その気持ちをちゃんと伝えることが
重要です。
また、部下の成長を信じる前に大切なのが
自自分自身の成長を部下に見せることだと
筆者の中のさんは述べています。
確かに自分自身が成長してない上司には
ついていきたくないですよね。
③誤った行動を叱る
現代のビジネスマンにおいて叱ることって
ある意味一番できていないのではないかと思います。
パワハラだと取られないかヒヤヒヤしてしまい
部下を叱れない場合も多いかと思います。
部下を叱る際には今この瞬間に行い、
問題点を治す方法を伝え、最後に相手の成果を認めます。
そうすることで叱られた部下にも効果的に
課題点を伝えることができますし
問題点の治し方を明確にして部下の成長を促進します。
この中で特に私ができていないことは「この瞬間に叱る」
ということです。
部下が問題行動をしているのを発見したとしても
他の人がいる環境で叱ってはいけないと考えてしまい
つい後ほど当人を読んで叱るスタイルが多く
なっていました。
しかし、本書の中では
問題行動を起こしたときにすぐに叱ることが
望ましいと書かれています。
あとで場所を変えて2人で叱ると
リーダーとして逃げの姿勢が周りに伝わって
叱られる側も叱られた事象が過去のことに
なっているので実感が薄れるのです。
④感情を共有する
仕事でパフォーマンスを上げるためには
感情をマネジメントすることは重要です。
仕事の中には色んな感動があり、
それを職場で共有することで、
メンバーの士気が上がります。
そのためにはリーダー自身が感動に対する
感度を上げておき、それを発信する。
そして、部下の喜びは一緒になって喜ぶ。
この2点が非常に大切です。
⑤チーム心を養う
感情の共有と似た部分があるのですが、
組織で成果を出すためにはムード作りが
非常に大事になります。
ムードを作るために明確な目標を部下に提示し
そこに向かって進めるための応援をし
そして、小さな成功に喜び、それを共有する。
そういうムード作りをするのもリーダーの
重要な役割です。
3.本書を読んだ感想
概要の中に一部感想も書いてしまいましたが
全体を通して、すごく野球チームのコーチの
仕事に近いな、と感じました。
プロフィール紹介で書いたように
筆者の中田仁之さんは野球を長年されているので
考え方のベースが野球にあるのかもしれません。
会社仕事をしているとどうしても
目先の仕事に目が行ってしまって、
チーム全体の感情の動きを見たり、
グループのムードが下がっているのを
見逃してしまったり、
会社が1つのチームであることを忘れてしまいます。
私自身部下とのかかわり方はどちらかというと
すこしドライなほうでしたので、
本書を読んでチームとしてのムードを高めて
冒頭に書いた1人の部下だけに向き合うだけではなく
この部下が参加したくなって士気を高めるチーム作りを
していく必要があると感じました。
本書の内容は少し体育会系に近いかもしれませんが
逆に体育会系のノリって今の会社に不足してる部分なのかも
しれませんね。
組織で人の上に立つ際にはこういう考え方を知っておくことは
すごく有益だと思いますし、私もいろいろな気づきがありました。
読みやすい本なのでぜひ一度読んでみてください!