見出し画像

非日常というスパイス

昨日はなかなか大変な一日だった。

今年我が家は地域の子ども会に
当たっている。

そして、昨日は地域のスポーツイベントが
開催されたので、
その開催のサポートのために
朝から会場に入ることになった。

とはいえ、子ども会の活動は
女性が主にしている場合が多いので、
我が家も妻が参加していくれていた。

昨日も朝から妻を送り、
参加者全員の弁当を手配して
会場に持ち込んだのだが、
ちょうどその時に雨が降り出した。

少々の雨であれば問題ないと
競技が続行されていたので、
私は我が家の子供たちに
昼ご飯を食べさせるために
一旦家に帰ることにした。

ところがである。

帰る道中で雨が本降りになってきたのだ。

さすがにこの雨の中で競技は
続行しないであろう。

しかし、すでに帰路についているし、
このまま引き返しても子供たちは
おなかが空いているので
車の中の雰囲気が悪くなるのも嫌である。

そこで、一旦家に帰り、
子供たちに食事を食べさせつつ
妻をサポートする装備を整えて
会場に行こうと決め、
子供たちにもそれを説明した。

渋るかと思うと快諾する子供たち。

子供たちは予めつくっておいたオムライスを
パクパクと食べてくれたので、
その間にバスタオルなどを用意して
食べ終わったタイミングで
すぐに会場に向かった。

先ほど会場は既に見ているので
必要な装備はバッチリである。

そして会場につくと
ちょうど妻からメールが入っており
大会が途中中止となったようであった。

そうなれば次は作戦変更である。

荷物の撤収のために車をフル活用すべく
子供たちに車の3列目に移動してもらい
荷物や他の役員さんを車で送ることになった。

荷物を入れるスペースがないので
軽いものは子供たちの座席に
入れさせてもらうと、
なぜか子供たちは嬉しそうで
ニコニコしている。

その後、雨の中びしょぬれになりながら
何とか撤収を行い、ようやく家に着いた。

とりあえず荷物を片付け、
濡れた服を着替えて、
一息つきながら子供たちに
「バタバタしてしまってゴメンな」
と声をかけた。

内心、子供たちを会場に連れて行ったのは
失敗だったと感じていたからである。

ところが子供たちは「楽しかった」と
言ったのである。

私からすればあまり楽しい要素は
なかったような気がしていた。

しかし、子供たち曰く
会場で何人かの友達に会って、
そこから雨が降り始めて、
慌ててご飯を食べて、
お母さんのために必要なものを準備して、
会場に向かったのが
とても楽しかったというのだ。

これはまさにイレギュラーが生み出した
楽しみである。

私たちの日常の多くは既に獲得された
習慣で成り立っている。

諸説あるが、習慣が占める割合が
9割ともいわれるほどである。

それゆえに私たちは旅に出ると
その習慣から強制的に外れさせられるので
刺激を感じ、楽しさを覚えるのだ。

そして、昨日の経験は
子供たちにとって習慣を外れる
経験であったのだ。

日ごろ慌ててご飯を食べる機会も、
車の3列目に乗る機会も
自分たちの席に荷物を乗せることも
彼らにとっては非日常の
新鮮な体験だったのである。

しかも、それらはいずれも
ごく近所でいつも乗っている車で
起こった出来事である。

子供たちにはできるだけ
色々な刺激を受けて
色んな事を感じて欲しいと
いつも思っているのだが、
それは決して遠出や特別なことを
しなくてもできることに
この時気が付いた。

日常の生活でも少し何かを
変化させてみるだけで
十分に刺激的なものになるのである。

我が家の車は3列目が非常に狭い車種で
日ごろ3列目は折りたたんで荷物の
収納に使っているが、
昨日3列目のシートに座ってみると
そこから見える景色や
カーステレオの聞こえ方が
日ごろと全然違うと
子供たちは話していた。

これも立派な発見であるし、
彼らにとっての刺激である。

これと同じように家の中でも
工夫次第ではまだまだ
刺激的なことはできるのでは
ないだろうか。

感染症の拡大がようやく
落ち着いてきて
すこしずつ日常が戻りつつある。

外に出て思い切り刺激を
味わいたい人と思う人が
沢山いるであろうが、
近くでもまだまだ刺激を味わうことは
できるのではないだろうか。

今日も引き続き雨の予報、
そして今日は昨日できなかった
会場の撤収作業をしなくてならない。

そんな一日をどう味わってやろうか
今から楽しみである。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集