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気づいていなかったアレ
今年もこの時期が来た。
私を憂鬱にするこの時期が来ると
外に出るのが嫌になる。
そう、花粉のシーズンである。
今週再び寒くなるようではあるものの
先週末も薄手のジャケットで外を歩けるほど
暖かい日中であった。
こういう気候が続くとそろそろヤツらが
動き始めると思ったので、
先週土曜にいつもの診療所で5秒ほどの問診を経て
例年通りの薬を処方してもらった。
私が面倒なこの方法をとるのは単純に値段が安いからで、
土曜日に時間が取れない場合には
市販薬でやり過ごしてしまうこともある。
先生はカルテを見ればわかるらしく、
「あ、昨年は薬なしで過ごされたのですか?」などと
聞いてくるが、そんなわけがない。
もはや最初に花粉症の症状を感じてから
30年近くになる大ベテランなのだ。
幸いな事にまだ今年は薄く症状が出始めただけだが、
この手の薬は症状が出始めてから飲むと
効果を感じにくくなるので
薬を受け取ったその場ですぐに1錠を飲み
それから飲み続けている。
毎年のルーチンなので何とも思わずに
この行動をとっていた。
だが、薬を飲み始めて4日目となる昨日
風呂に入ろうとしてあることに気が付いた。
ここ最近ずっと肘やひざの裏側に出ていた
よくわからない発疹のような肌荒れが
明らかに良くなっていたのである。
最初は単なる乾燥の影響だろうと思っていたのだが、
かゆみと発疹があり、何か妙な病気ではないかと
薄々心配し始めていたとこだったので
安心しながらも逆に不思議であった。
ここ最近特に何も変えたことはないし、
別に体調がいいわけでもない。
むしろ、昨日は扁桃腺が腫れて
のどが痛いぐらいだったのに
一体何があったのだろうか。
そう思った時に、ふと自分が花粉症の薬を
飲み始めたことに気が付いた。
花粉症の薬は抗ヒスタミン薬と言って、
アレルギー症状の原因となるヒスタミンの働きを
抑えるような薬である。
花粉症以外の食物アレルギーなどで
じんましんが出ることがあるが、
あれもまさに皮下でヒスタミンが放出されることで
急性の炎症が起こったものである。
私のひじやひざに起こっていた症状は
じんましんではなかったものの、
アレルギー由来の症状だったとすれば
抗ヒスタミン薬を飲み始めて治まったことは
つじつまがあう。
幸い花粉症の薬は今から2か月ほどは飲み続けるので、
この間はこの症状が出ることはないだろう。
だが、逆にこの薬を止めると再び症状が
出始めるということでもある。
それまでに私は自分が何のアレルギーで
あのような症状が出ていたのかを突き止め、
その原因物質を断たねばならない。
思ってもみなかった新たなミッションが
2か月という期限付きで私の前に現れたわけである。
何とも言えずワクワクするではないか。
とは言え、ふと重大な事に気が付いてしまった。
症状を抑えたままでどのように
その検証をすればいいのだろうか。
症状が出続けていたならば
一つ一つやめてみて症状の度合いを記録すれば
答えに行きつくだろうが、
症状がなければその検証はできないのだ。
結局できることと言えば病院に行き、
血液検査でアレルギー候補物質を特定するだけなのだ。
過去からアレルギー検査を受けておきたいと
思っていたものの、
そこで自分の好きなものにアレルギーがあると
判定されるのが怖くてこれまで行けていなかった。
だが、実際に症状が出てしまっているのだから
行かないわけにはいかない。
今回の症状の変化はこれが年貢の納め時だという
体からのメッセージなのであろう。
大人になってからアレルギー症状が出ることは
しばしばあるそうだが、
急に食べるものに制限が出るのは
何とも言えず複雑な気分であろう。
とは言え、お酒を飲まなくなって
その楽さに気が付いたように
食習慣も何かを止めてみると
その良さに気付くものなのかもしれない。
この考え方を極めたらそのうち
食べることを止めてしまいそうな気もしている
今日この頃である。
ちなみに私の娘は小さい頃小麦アレルギーだったが
克服して今はパンもうどんも好物になった。
実はこういう子供の頃に持っていたアレルギーが
歳を重ねるにしたがってジワジワと
再発しているのかもしれないと最近密かに
思っている。
今度帰省した時にでも
母に私が子供の頃何かアレルギーがなかったか
尋ねてみようと思う。
ちなみにスギ花粉症の人は
トマトのアレルギーを起こすことが
しばしばあるそうである。
トマトを使った料理が好きなので
もしトマトが食べられないとなれば
かなり辛い。
トマトアレルギー出ないことを願うばかりである。