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非日常は遠出しなくても味わえる

感染症の制約がなくなって初めての
ゴールデンウィークを迎えた今年。

カレンダー通りの休みだった私も
家族をどこかに連れて行こうかと思い
連休初日の3日に、車で1時間半の場所にある
テーマパークに出かけた。

そのテーマパークは少しさびれた場所で
以前に行ったのは数年前だが、
寒い日の日曜日ということもあり
来訪者はまばらで、とてもゆっくりと楽しむことが
できた記憶があった。

なので、今回もゴールデンウィークとはいえ
それほど混雑していないだろうと高を括っていたのだが
皆同じことを考えるのであろう。

到着するとたくさんの人が既に入場していた。

昼ご飯は現地で調達しようと思っていたので
特に用意をしていなかったのだが、
カレーとフランクフルトを買うためだけに
かなりの列を並ばなければならない状況である。

子供たち自身はそれなりに楽しんでくれたので
よかったのだが、
財布からは次々にお金が出ていくとともに
マイペースに動けない疲労感から
妻も私も帰りにはクタクタになってしまった。

もしかすると今年はどこに行っても
こんな感じなのかもしれない。

そんな風に思うと、今年は妙に出歩かず
家時間を楽しむぐらいでいいのではないかと
思うようになってきた。

そんな初日の経験から、家時間を楽しもうと
昨日は朝から子供たちと一緒に
洗車をすることにした。

なぜ家時間を楽しむことと洗車が関係あるのかと
思われるかもしれないが、
どういうわけか子供たちは洗車が好きなのである。

日ごろ乗っている車のボディに
スポンジ越しに触れることも
運転席に座って内装を拭くことも
彼らにとっては非日常なのであろう。

しっかりとボディのふき取りをして
白くピカピカになった車を見て
子供たちも満悦そうな顔をしていた。

そうして洗車を終えたあとは
いつもの休日と同じように過ごそうと
考えていたのだが、
妻が急にどこかに行きたいと言い出した。

昨日の経験があるので、
どこに行っても混雑することは
火を見るよりも明らかである。

そこで、完全に逆張りの発想で
車で20分ほど行った場所にある
芝生しかない公園に行ってみることにした。

その公園には特に何も遊具などはないので
子供たちが小さい頃にはすぐに退屈してしまい、
すぐに帰ろうというのであまりいい思い出はない。

しかし、彼らも大きくなってボールや
バドミントンの道具さえあれば
ある程度勝手に遊んでくれるようになった。

そこで、その芝生の公園にテントを張って
そこを拠点に思い切り遊ぶことにした。

どうせなら中で昼ご飯も食べられれば
子供たちのテンションも上がりそうである。

出発前に急ごしらえでおにぎりを作り
保冷バッグに入れて出発した。

公園に到着すると、多少先客はいるものの
概ね空いており、
思い切り遊ぶには十二分なスペースがあった。

早速テントを張り、荷物を入れると
勢いよく遊び始める子供たち。

私は息子のサッカーの相手をしたが、
日ごろ練習する家の庭と違い
思い切りボールを蹴ることができる環境に
私までテンションが上がってくる。

娘は妻とバドミントンをしたり
芝生の上で縄跳びをしたりして
楽しんでいた。

そして、しばらく遊んでいると
皆お腹が空いてきたので
作ってきたおにぎりや途中で購入したパンなどを
テントの中で食べた。

食べているものはいつもと変わらないし
別に遠くの場所に来たわけでもないが、
芝生のクッションを感じるテントの中で食べるだけで
何だか特別な気分になってくる。

そうして、結局4時間ほどその公園で遊び
帰りには子供たちは車の中でぐっすり寝ていた。

私もノーガードだったので
腕や首が日焼けで痛くなったが、
何とも言えない疲労感と満足感を味わえた。

日常のすぐ近くでも非日常感は
味わうことができる。

そして、それも子供たちにとっては
十分な探検なのである。

このことは感染症で遠出しにくい時期に
嫌というほど実感したが
感染症の制約が解除された今でも
それは何も変わらないということを
感じさせられた。

非日常は何も遠出したり海外に行かなくても
いくらでも味わえるものなのだ。

今日は家族で私の実家に帰る。

どんな非日常を子供たちに出合わせてやろうか。

それを考えるのが親としての密かな楽しみである。

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