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シンデレラは何日間の話なのか

シンデレラの話を聞いたことは
誰でも一度はあるだろう。

昨日は休日だったので
娘と一緒に通算四度目の
シンデレラ(ディズニー版)を鑑賞した。

本編の時間が70分ほどで
子供でも比較的集中して
見ることができるのだが、
やはり70分は長い。

四度目なので話の展開は
十分に知っているのだが
さすがはディズニー、
ついつい話に引き込まれて
気が付けば最後まで見ていた。

本などでも何度も読むと
その都度印象が変わる作品はあるが
昨日シンデレラを見終わった後に
私の中に残った印象は
これまでにないものであった。

「これは果たして成功物語なのか」

シンデレラのあらすじはあえて
ここでは書かないが、
可愛そうな境遇に追いやられた
美しいシンデレラが舞踏会を機に
王家に嫁ぐという意味で
成功物語のように描かれている。

しかし、よく考えてみると
シンデレラの映画の中で物語が
進んでいる日数はたった2日なのである。

その間にシンデレラにとっては
大きな転機となる舞踏会があったわけだが
人生の中でたった2日間の物語が
切り取られたに過ぎないのに、
この物語を成功物語と考えるのは
オカシイのではないだろうか。

その後のアフターストーリーが
絵本やアニメで語られてはいるが
多くの人は本編の映像しか見ることはない。

しかし、多くの人はこのような
ストーリーを見てスッキリし成功物語と
捉えるのはなぜだろうか。

それは、私たちはごく短く一時的な事象で
物事を判断してしまうからである。

私たちの人生は長く、
その中に喜ばしいことも悲しいことも
色々なエピソードが存在している。

それらを一つ一つ切り取ると
大きなことではあるのだが、
現在前を進んでいる私たちからすれば
あくまで過去の一点の記憶に過ぎない。

本来私たちがしっかりと見るべきことは
今目の前にあるものであり、
掘り進めているトンネルの岩盤の
硬さなのである。

過去にすんなりつるはしが入った
柔らかい岩盤があったとして
それを思い出しても
実は今から掘る岩盤には
何ら影響しない。

こんなことを書くと、
勘違いされてしまうかもしれないが
私はシンデレラのようなストーリーが
好きである。

しかし、それはあくまで短期的な
ストーリーを切り取ったものだと
理解しておくことも
重要だと思うのだ。

その後二人に何が起こるかはわからないし
下手をすればドロドロ劇に巻き込まれて
しまうかもしれない。

実際、私たちが人生で生きていくうえで
数回何かをしたところで変化は
起こらないものである。

変化を起こすためには日々小さいながらも
変化を継続して起こしていかなくてはならない。

短期で人生が変化するような
甘美なストーリーは残念ながら現実の
人生にはそんなにたくさん起こらないのだ。

昨日はそんなことを感じさせられる
映画鑑賞の時間となった。

一緒に見た娘はどのように感じたのかは
わからないが、
シンデレラのような
人生大逆転を夢見るのではなく
これからの人生を自分の力で
コツコツと創り上げていってほしいと
願うばかりである。

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