”お決まり”の大切さ
昨日娘と映画を観に行った。
娘とと言う時点で薄々感づかれている方も
いるかもしれないが、
そう、観たのはプリキュアの映画である。
娘がプリキュアにハマり出したのは
今から2年前から。
今やっている”ひろがるスカイプリキュア”の
前々作の途中からである。
息子が仮面ライダーを好きであった時もそうであったが
この手の1年に1回話が切り替わるシリーズは
一度ハマると過去のものも知りたくなるらしく、
娘もプリキュア図鑑のようなものを読んで
過去のプリキュアにやたらと詳しくなっていた。
いつも一緒に読んでいた私もおぼろげながら
それが頭に入っているらしく、
今回観た”プリキュアオールスターズF”でも
「あ、このプリキュアは〇〇やん」と
観ながら心の中で言えるほどにはなっていた。
この映画のストーリーは
色んな世界戦のプリキュアを無理やり一堂に会すため
かなり曖昧なものであったが、
そうなることは過去のプリキュアの映画から
何となく想像はついていたので、
とくにそれ自体は問題なかった。
というより、想像していたよりはマシだったほどである。
だが、私の中でこの映画を観て
不思議に思うことが一つあった。
それは今テレビでやっている”現役”のプリキュアが
あまり頭に残らなかったことである。
今回の様にプリキュアが一堂に会するような
映画は過去にも上映されている。
これは過去のキャラクターも廃れさせずに
人気を保っていくための
企業的な戦略も兼ねてなのであろうが、
このような映画の場合にも
上映される時に”現役”でやっているプリキュアが
メインで登場するものである。
今回もオールスターズと銘打ってはいたものの、
いまテレビで放映中の”ひろがるスカイプリキュア”の
キャラクターは全員が出ていたし、
ストーリーの中でもメインで登場していた。
だが、観終わって私の頭の中には
そのメインのプリキュアが発した言葉は
特に残っていなかった。
では何が残っていたのかというと、
前作”デリシャスパーティプリキュア”の
キュアプレシャスの言葉である。
前作が終わったのが今年の1月なので、
もはや半年以上も今のプリキュアに
慣れ親しんできたはずなのに
これはとても不思議である。
しかも、この映画は大人の都合なのであろうが、
オールスターズと銘打ってはいるものの
声優さんを使えるキャラクターは限定されており、
”デリシャスパーティプリキュア”では
メインの4プリキュアのうち、2人しか言葉を発していなかった。
にもかかわらず前作のキャラの言葉ばかりが
頭に残るのはなぜだろうか。
最初これは私だけなのだろうと思いながら、
帰路についたのだが
帰りの電車の中で娘に映画の感想を聞いてみると
”キュアプレシャスがかわいかった”と言っていた。
娘もどうやら”キュアプレシャス”が印象に残ったらしい。
子供の頭に残るぐらいなので、
やはり私の感じていたことは間違いではないらしい。
そうなると、ますますこの現象が不思議に思えてきた。
そこで、頭の中で映画の流れを思い返してみた。
冒頭から現役のプリキュアが出てきて
ほどなくすると話題のキュアプレシャスと
前々作のメインキャラ、キュアサマーが登場する。
そうして話が展開していくのだが、
そこであることに気が付いた。
今のプリキュアには”お決まり”がないのである。
前作”デリシャスパーティプリキュア”は
タイトルの通り食事がテーマの話で、
主人公のキュアプレシャスはお腹がすくと
「はらぺこった」という言葉を発する。
そしてその主人公は亡くなったおばあさんを
とてもリスペクトしており、
困難に直面したときそのおばあさんの言葉を
「おばあちゃんが言ってた」と言いながら
披露するのがいわゆる”お決まり”であった。
今回の映画でもその”お決まり”は再現されており
それを見た時に私は「懐かしいな」と思ったのだが、
それ故に私の頭の中にはキュアプレシャスが
妙に印象に残ったのである。
ところが現役のプリキュアにはその”お決まり”がない。
それ故に、結果として現役が前作に印象で
負けてしまうという妙な結果になったのであろう。
私達はどうやら”お決まり”に弱い生き物である。
子供の頃から見ていた吉本新喜劇などは
毎回演じられるシチュエーションこそ違えど、
出てくる登場人物とギャグは”お決まり”である。
だが、その”お決まり”がとてもクセになるし
それを楽しみに私達は見てしまう。
最近は見なくなったが、一昔前の時代劇なども
どのシリーズを見ても”お決まり”のパターンが決まっており
何分になったらチャンバラシーンが始まるかは
想像できるほどであった。
それだけ”お決まり”があることは私達の印象に
強く残るものなのである。
今回プリキュアの映画を観て、
改めて”お決まり”の大事さに気づかされた。
私もnoteを毎日更新はしているが、
私の”お決まり”を何か作ってみることで
もっと読者の方に印象付けられるかもしれない。
しばらく自分なりの”お決まり”を探しながら
記事を書く日々が続きそうである。
あなたが持っている”お決まり”があれば
ぜひコメント欄で教えてほしい。