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『文』『詩』

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思ったこと感じたことを書き殴ったような文。 共感やこんな感情もあるのか、をコンセプトに。 不定期更新。
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#文

文【会話というのは恐ろしい】

相手の話のペースに乗せられた。 乗ったつもりはなかったけれど。 気付いたら泥船の上。 相手の質問に答えているだけなのに。 心に爪を立てられ、牙を剥き出しにされた。 過去を否定し、未来を潰しにかかろうとするその姿は、善も悪も無い、ただの狂気のようだった。 泥船の行く先は雷鳴の中。 このまま相手と共に進みたくないと、荒波に身を投げようとすれば。 言葉の網で雁字搦めに捉えられる。 必死に逃れようと、こちらも牙を剥き出しにすると。 「そんなふうに聞こえてたの?」 「そんなつもりじゃな

文【私は会話が不得意だ】

私は会話が不得意だ。 人と話したあとは、必ずそう思ってしまう。 なぜなら好奇心がでしゃばり、前に進むのを止められないから。 知っていることを話したくなるから。 どうしてその考えになるのか聞きたくなるから。 未知の世界に足を踏み入れるのが楽しいから。 でもほとんどの人は、私の好奇心と理解したいという気持ちに押し潰され、黙るか怒るか、相手の言語化を手伝うかの、ほぼ三択になる。 私の知りたい気持ちはいつも置いてけぼり。 磨かれた宝石のようなつるつるの小さな小さな石を、河原から見つけ

詩【鎌鼬】

私の欲しいものを持っている人は 私を傷つける人 私の欲しいものを持っていない人は 私を止めてくれる人 どちらを選べば 私は笑っていられるのか どちらを選んだとしても 私は笑っていられないとしても もう独りになるのは嫌だ 嫌だ 嫌なのだけど 私はどちらかを選ぶなんて出来ない せめてもう一人 私を癒す人がいてくれたなら 鎌鼬みたいだねって 笑っていられたのに

詩【白に包まれながら】

しろ シロ 白 頭の中が真っしろ しろ 不意に訪れる真っ白な世界 文字が浮かんでは消えていく 分厚い雲に覆われて 文字を照らす闇もない 雲の中をあてもなく彷徨う 右も左もわからない 頭の中の迷路に迷う 道を照らす光もない こんな白に包まれるとき 私は不安で泣きじゃくる 涙が霧になり 雲をさらに分厚くする 消えない雲に覆われた 頭の中の迷路で想う 太陽のような 月のような 星のような 海のような 大地のような そんな私になりたいと そんな人に出会いたいと 白に包まれながら私は願

詩【此処から出たいのに】文

鍵が。鍵が見つからない。 この部屋から出る鍵が。 この場所は私にとって居心地が悪いのに。 此処から出るための鍵が見つからない。 探そうとしても、足には鎖が巻き付いている。 普段は重さは感じないのに。 動かそうとすると途端にぎりぎりと締め上げてきて、ずっしりと重たくなり、足を固定してくる。 この鎖を外すための鍵も見つからない。 そのうち手も首も鎖に巻き付かれ、締め上げられるんじゃないだろうか。 二度と此処から出られないんじゃないだろうか。 そんな恐怖心が、鍵を見つからなくさせて

文【初夢とは】日記

初夢とは元旦の日の夢をいうのか。 それとも二日目の朝に見た夢をいうのか。 調べればすぐに出るだろうけれど。 もし元旦に見た夢が、心の臓が凍りつくような、おみくじの大凶に書いてあることよりも最悪な、恐怖映画よりも恐ろしい夢だったならば。 二日目に見た夢を初夢にしたくなるだろう。 もし元旦に見た夢が、好物を食べているときの幸福感のような、好きな話を語らっているときのような、幸せしか詰まっていないようなそんな夢だったならば。 その夢を初夢にしたくなるだろう。 結局は、己の都合が良い

詩【いちにのさんで】

いちにのさんで 用意して 逃げ出す準備は出来たかい? 胸に勇気を詰め込んで 耳を塞いで扉の前へ 自分の心を偽って 現実に潰されるときもあるだろ 泣いて叫んでも助けは来ない 救い出せるのは自分だけ いちにのさんで 走り出せ 方角なんて気にするな 逃げ道だって立派な道さ とにかく走れ 走り出せ 理不尽ばっかの世の中だから 幸せなんてやってこない 道端にある小さな希望 掴むのだって自分次第 いちにのさんで 望む未来 夢見て走ってかき消されても 胸に勇気を詰め込んで もう一度

詩【仄かな光が灯る】

ゆるり、ゆらり、ゆるりらと。 今年も仄かな光が灯る。 今に感謝し、次に希望を。 願い願って立ち上がろう。 1mmでも進めたならそれで良い。 あなたが向いている方が前なのだから。 道が違えど終着は同じ。 最後にまた会えることを信じて。 今は別れを、次に祝福を。 願い願って立ち上がろう。 ゆるり、ゆらり、ゆるりらと。 今年も仄かな光が灯る。

掌編小説風日記【海老】

私が食べられないものの一つ。 それは海老。 茹でると赤く色付いて、調理法によっては色々な歯触りが楽しめる。 あの海老。 嫌いで食べられないわけじゃない。 むしろ大好きで。大好きで、大好きで。 食べ過ぎてアレルギーになった。 さっくさくになったパン粉をまとうエビフライも、魚のすり身とあらく潰した海老の二つの食感が楽しめる海老しんじょも、パラパラとしたお米の中に潜んでいる小海老探しが楽しい海老チャーハンも、マヨネーズのまろやかさと大きな海老にテンションが上がってしまうエビマヨ

文【大切な人達への道標】SS

今、そばにいてくれる人達を大切にしよう。 そう思っているのに。 ほんの少しの何気ない悪意が、私の視界を黒く塗り潰す。 懸命に光を探すけれど、闇に突き落とされたかと錯覚するほど。 何も見えない。 大切な人達を蔑ろにした罰だ。 今あるもので満足しなかった罪だ。 何処からともなく、そんな声が聞こえてくる。 恐くて涙さえも出ないけれど。 そんなときは、呪文のように 「ありがとう」 と、言い続ける。 ただひたすらに。 声に出ているのか、心の中で呟いているのかは分からないく

文【鉛筆のような人生】

生きるために文章を綴っているけれど。 綴れば綴るほど、私の命が削れていく。 売れる文章を書かなければ、生活だって出来なくなる。 あと一歩。 前に踏み出せたら。 と考えてみても、何処まで歩けば、その一歩になるのだろう。 矛盾している、私の生きる術。 鉛筆のような人生。 これだけ生きても、芯の色はまだまだ薄く。 消しゴムで消されてしまうような。 周りが暗すぎて、自分の文章さえも見えない。 私の残りの鉛筆は、あとどれくらい綴れるのだろう。

文【おやすみなさい】詩

寂しくない 淋しくないと 自分の心に 嘘を言って 偽りの言葉に 言魂をこめる それから電気を消して 真っ暗闇の中で 窓の外の 弱々しい風の音に 耳をすませながら 今日も恐い夢におびえて 眠るんだ おやすみなさい その一言だけで 安心して眠れるのに 私は今日も 浮かばない願いを 何かに祈りながら おびえて眠るんだ

文【未だに私を縛り続ける】詩

雨粒 一つ 窓を叩くと 私の骨が 軋み出す 昔むかしに 怪我した場所が 忘れるな と 言うように 粉々にして 燃やしたはずの 苦い苦い 思い出が 火を消すはずの 水と共に 蘇る 痛い 痛い と 歯を食いしばって 辛い 辛い と 服を掴んで 骨が軋むたびに 耳が動く ぎゅうっと 目を閉じて 自分だけの世界に 身を寄せても 街の片隅で 骨の軋む音がする そっと まとわりついてくる 窓を懸命に叩いている雨粒に この音もかき消されてしまえば良いのに 昔むかしに 怪我

文【僕は今日も見苦しく足掻くんだ】詩

全てが嫌になっちゃうよ 愚痴ばっか吐いて楽しめない人生 全てが嫌になっちゃうよ 好きなことに費やせない人生 弱音を言って 心を休めても 次の日にはまた傷だらけ 体内が悲鳴を上げている 目から水も溢れてる それでも生きる道を選び続けてしまうのは 不思議で不可解 自分でも理解出来ない なんで? なんで? なんで 全てが嫌になっちゃうよ 愚痴ばっか吐いて楽しめない人生 全てが嫌になっちゃうよ 好きなことに費やせない人生 答えが出ない悩みに囲まれて 次の日もまた新しい悩み