文【未だに私を縛り続ける】詩

雨粒 一つ 窓を叩くと
私の骨が 軋み出す

昔むかしに 怪我した場所が
忘れるな と 言うように

粉々にして 燃やしたはずの
苦い苦い 思い出が
火を消すはずの 水と共に 蘇る

痛い 痛い と 歯を食いしばって
辛い 辛い と 服を掴んで

骨が軋むたびに 耳が動く

ぎゅうっと 目を閉じて
自分だけの世界に 身を寄せても

街の片隅で 骨の軋む音がする

そっと まとわりついてくる

窓を懸命に叩いている雨粒に
この音もかき消されてしまえば良いのに

昔むかしに 怪我した場所は
未だに私を 縛り続ける

ああ 今日もまた
雨粒 一つ 窓を叩いた