文【大切な人達への道標】SS
今、そばにいてくれる人達を大切にしよう。
そう思っているのに。
ほんの少しの何気ない悪意が、私の視界を黒く塗り潰す。
懸命に光を探すけれど、闇に突き落とされたかと錯覚するほど。
何も見えない。
大切な人達を蔑ろにした罰だ。
今あるもので満足しなかった罪だ。
何処からともなく、そんな声が聞こえてくる。
恐くて涙さえも出ないけれど。
そんなときは、呪文のように
「ありがとう」
と、言い続ける。
ただひたすらに。
声に出ているのか、心の中で呟いているのかは分からないくらい。
真っ暗な闇の中にいるけれど。
「ありがとう」
その言葉が、大切な人達への道標になると信じて。
100円からサポート出来ます。文章を書き続ける為の生活費にしますので、ぜひサポートよろしくお願いします!