分かるけど分からない?『最強に面白い!パラドックス』を読んで
今回はこちら本を読みました。
「パラドックス」は普段使いしない、馴染みの薄い言葉だと思います。
歌詞に使われていることが多いような気がします。聞いたことはあるけれど、なんの言葉かはよく分からないですよね。
「パラドックス」とは論理の道筋は正しいように見えるのに、納得しがたい結論が導かれてしまう問題のことです。
パラドックスを例えるなら
ある人が「私は嘘つきです」と言ったとします。
この発言が本当なら、この人は嘘つきですよね。
それならば「私は嘘つきです」という言葉も『嘘』のはずですから、この人は『正直者』ということになります。
正直者が自分のことを嘘つきと言ってるわけですから、やはり矛盾していることになりますよね。
このややこしく不思議に思えてくるのが「パラドックス」です。
またパラドックスという言葉は「矛盾」や「ジレンマ」と言った言葉との区別が曖昧なまま使われることも多いそうです。
・矛盾は、ものごとのつじつまが合わないこと
・ジレンマは、2つの選択肢のどちらを選んでも不都合がある状態のこと
道理の道筋は通っているようにみえるのに、矛盾やジレンマが発生していたら、パラドックスということになります。
この本では、さまざまなパラドックスを4つの分野に分けて紹介しています。
・論理的パラドックス
・数学のパラドックス
・宇宙のパラドックス
・物理学のパラドックス
どの章も一筋縄ではいかない、答えが複数あるような、まるで思考の迷路に迷い込んだ感覚に陥ります。
どのパラドックスも面白いのですが、説明するのにアタマがこんがらがってしまいそうなものばかりでした。
わたしの文章力では説明し切れないと思ったので、「おまけ」のコーナーで書かれていた理解しやすいパラドックスを説明していこうと思います。
名前が思い出せないパラドックス
ある人について、容姿、人柄、職業や趣味などは思い浮かぶのに、肝心の名前が出てこない。そんな状況を誰でも経験したことがあると思います。
これは『ベイカー(パン屋の)ベイカーのパラドックス』と呼ばれている心理現象です。
その人がパン屋(ベイカー)という職業であることは思い出せるのに、ベイカーという名前が思い出せない。というジョークから名付けられたものです。
ベイカー(パン屋)は思い出せるのに、ベイカー(名前)は思い出せない、落語に出てきそうなパラドックスですよね。
なぜ名前だけを忘れているのか、覚えていないのか、思い出せないのか、、うまく説明できないところがパラドックスなんです。
この現象は、人の名前が他の情報と関連づけずらいために起こると考えられています。
それにしても名前だけが出てこないって、よく考えると不思議なことですよね。
この本を読んだあとですと、矛盾やジレンマが潜んだ話は普段の生活の中に、意外と存在していることに気づきます。
先日働いている病院で「医療従事者はワクチンの接種は必須です。ただし接種するかは個人の判断です。」というメールが送られてきました。
接種しても、しなくてもどちらでも良いということらしいです。
「接種しなければいけないのか、接種しなくてもいいのか」どちらともとれる内容ですよね。
この文章を見て「この矛盾しているところがパラドックスなのかな?」と頭の中に浮かびました。
複数の視点と複数の選択肢があるとパラドックスが生まれやすいのかなと思いました。
パラドックスについて考えることは、論理的な思考を鍛えるのにもってこいだと感じました。
分かっているけど説明の難しいパラドックス、興味の湧いた方は体験してみてはいかがでしょうか。
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わたしはこんな人です(*'ω'*)
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