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遥奈さん新曲『小景異情(室生犀星)』考察。

小景異情<室生犀星>

ふるさとは 遠きにありて 思ふもの
そして悲しく うたふもの
よしやうらぶれて 異土の乞食と なるとても
帰るところに あるまじや
ひとり都の ゆふぐれに ふるさとおもひ 涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこに かへらばや
遠きみやこに かへらばや

【考察】

「真実は、とてつもない場所にあるのではなく、日常の些細なところに潜んでいる」

いつだったか、遥奈さんにそんな話を聞いたことを思い出した。シュタイナー教育のシュタイナーもそう言う。

「高次知識とつながると、日常風景がその真の輝きを放つようになる」

ならば、『小景異情』とはどういう語義か?
「小景:ちょっとした光景」が「異情:いつもと違った気持ち」を湧き起こす。

これはまさに、日常が真に輝く瞬間をうたったものなのだと思う。

真の輝きは悲しみの中にこそ存在する。犀星のように故郷を追放された者が、それと眼前の光景とを重ね合わせることもあろう。だがそれだけではない。「過去」という我らが追放された世界。その過去の光景が現下と重なる時、日常はその鮮明さを不意に取り戻す。

二宮尊徳の7代目の子孫、中桐万里子。彼女は祖母からこう教えられてきた。「徳とは歴史のこと」だと。過去は時に我らに呼びかける。そして芸術とはまさに、過去にその力を振起せしめる触媒なのだ。

永遠に帰ることを許されない世界。だが我らはその世界と対話する必要がある。
2019年5月4日、遥奈さんはこう語ってくれた。

「未来を変えることで、わたしたちは過去を変えられることがあります」

我々は過去に帰ることが出来る。神々さえ、ゆめにまでみた世界へ。

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起業家研究所omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)

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