マガジンのカバー画像

クラリネット諸々

82
愛するクラリネットとの関わりあれこれを綴りました。
運営しているクリエイター

#エッセイ

夢見るひとときをご一緒に

秋は様々な文化的イベントの多い季節である。『芸術の秋』なんていうほど大袈裟なものではなく…

在間 ミツル
1か月前
36

厳しさは優しさ

クラリネットの師匠であるK先生は、私がレッスン中に運指などでもたつく様子を見せると、ふう…

在間 ミツル
1か月前
26

苦労を楽しむ

エスクラ(エスクラリネット)を吹くようになって、もう随分経つ。 技術は相変わらず遅々とし…

在間 ミツル
2か月前
41

Kちゃんの大切な楽器

Kちゃんは前に所属していた楽団に数年在籍していた、女子高生である。パートは私と同じ、クラ…

在間 ミツル
2か月前
48

LとR

師匠のK先生が 「クラリネットはいい加減な楽器です。どこかの穴を塞いで息を入れさえすれば、…

在間 ミツル
2か月前
36

また夏がやってきた

私が初めて吹奏楽コンクールというものが存在するのを知ったのは、遠い昔、小学生の時である。…

在間 ミツル
3か月前
35

つい忘れがちなこと

合奏練習をしていると、よく指導の先生に指摘されるのが 「みなさんはワンフレーズが短すぎます」 ということである。 フレーズ、つまり旋律は長く取らねばならない。例えば『ふるさと』(作詞 高野辰之 作曲 岡野貞一)だと、 『兎追いしかの山』 でワンフレーズ、 『小鮒釣りしかの川』 でワンフレーズ、と捉えてもよいが、 『兎追いしかの山 小鮒釣りしかの川』 を一つの塊と捉えた方が、聴いている人に対して説得力がある。 しかし我々素人が演奏すると、どうしても『兎追いし』でぶち千切れてしま

三連符、この悩ましきもの

今回ウチの楽団が選んだ課題曲のクラリネットの譜面には、これでもかというくらい三連符が出て…

在間 ミツル
6か月前
22

楽譜を汚す

前の楽団で一緒だったフルートのSさんは、楽譜に沢山の書き込みをする人だった。 私の楽器(エ…

在間 ミツル
7か月前
25

定期演奏会

今日は所属している団の定期演奏会である。だからちょっと忙しい。関東に来てから早いもので三…

在間 ミツル
8か月前
27

『好き』のパワー

私は一般的なサイズよりやや小さい手をしている。 普段の生活では何ら問題ないが、楽器を演奏…

在間 ミツル
8か月前
25

どうしても好きになれない

大阪に住んでいる人には阪神ファンが多いだろう。東京に住んでいる人は巨人ファンが、福岡に住…

在間 ミツル
9か月前
23

しっくりくる椅子

私が初めてバスクラリネットを吹き始めた時、師匠のK先生は 「自分に合った椅子を選びなさい。…

在間 ミツル
9か月前
23

かなえてしまった夢!

少し前にクラリネットに関する自身の思い出話を書いた。ジャス界の大御所に厚かましく『ムーンライトセレナーデ』の演奏技法について問い合わせたら、丁寧にお電話とお手紙を頂き恐縮してしまった、という話である。 そしてこの方の演奏する『ムーンライトセレナーデ』を聴きたい、直接お礼が言いたい、とも書いた。 実は書いてから十日も経たないうちに、この夢が思いがけず叶ってしまった。 この大御所の名前は北村英治さん。知る人ぞ知る、日本ジャズクラリネット会の重鎮である。 今年で御年九十五歳。おそ