天照大御神がはじめられ、神武天皇ご即位で完成〜『大國民讀本』を読む〜(10)
日本の国は天地(あめつち)と一緒だから、決して終わることがないという天照大御神のお言葉(天壌無窮の神勅)。その天照大御神がニニギの尊に授けた、三種の神器に込められたご精神。玉は愛情、鏡は誠、剣は正義です。
それから神武天皇の、我が国全体を、皆が仲良く暮らせる立派な国にしようというご決意。日向を発(た)って遠征し、大和に都を定めるときに示された、天地四方をまとめる都を開き、八方の遠いところまで覆(おお)うほどの大きな宇(いえ)を起こそうという大きな目標。これらの内容を味わえば味わうほど、その深さと尊さに感動します。
これらの精神は、国内ばかりか国外に出しても、道理(どうり、正しい筋道)に背(そむ)くことがありません。歴史を通して、また未来に対して間違いのない、天地に恥じない公道(誰もが通ることのできる道)です。
まさに日本の建国精神そのものであり、そこから日本に立ち位置を置く大日本主義が確立(かくりつ、しっかり成り立つこと)されていきます。
自然の秩序をへて成立したのが日本というクニ
なお、建国の時期ですが、ニニギの尊が日向に降られましたときや、神武天皇のご即位のときが相応(ふさわ)しいという意見もあります。
私としては、建築が土地の神様を鎮(しず)める地鎮祭(ぢちんさい)から始まり、落成式(らくせいしき)で完成するように、日本の建国は天照大御神によって肇(はじ)められ、神武天皇のご即位によって完成されたものと考えます。
つまり、自然の順序をへて成立したのが日本という国なのです。ちょうど一粒の種が蒔(ま)かれ、それがしばらく土中にあって水や温度を受け、芽が出てやがて大樹(たいじゅ)に成長するのと同じです。武力や金力、権力によって無理矢理(むりやり)急造(きゅうぞう、急いで造ること)された国とはわけが違うのです。
明治天皇は、その事実を教育勅語(きょういくちょくご、明治23年に出された教育の根本精神)で、「国を肇むること宏遠(こうえん、広くて遠大なこと)なり」と示されました。
なお、建国という言葉は、本当は日本の歴史に相応しい言葉ではありません。日本は人為(じんい、人間のたくらみ)で建てられた国ではなく、神意(しんい、神々のご意志)によって開かれた国だからです。
では開国がいいかというと、開国は明治維新の開国と思われてしまいます。それで、仕方なく建国という言葉を使っております。
次の章からは、大日本主義の内容について具体的に述べてまいります。
〜『大國民讀本』を読む〜(10)第3章につづく
昭和2年に出版された著書ながら、今読んでも新しく、胸に突き刺さる指摘ばかりです。新しいがゆえに、我が国の抱える病巣や問題の根が深いことが良くわかります。戦前の日本が良くわかる本『大國民讀本』
「林英臣の元氣メール(メルマガ)」で、こども向けに優しく噛み砕いて連載していた内容を、〜『大國民讀本』を読む〜として刊行しています。
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