見出し画像

【孫子の兵法・その49】 攻撃ポイントへの一点集中が加われば、威力は格段に増す!<試読版・全編無料>


勢いと節目とは?

激しい水流が岩石を動かすのが「勢い」であり、鷹や鷲など猛禽類が獲物を捕らえる一瞬が「節目」であることを述べました。

孫子は「勢い」と「節目」について、さらに次のように説明していきます。

「戦いの上手な者は、その勢いを険しくし、節目を一瞬に集中させる」が、「勢いは石弓を張るときのようなものであり、節目はその引き金を引くときのようなものである」

孫子・兵勢篇その三(抜粋)

「石弓」は発射装置のある強力な弓のことで、ライフル銃のように構えて矢を射ます。そこに張られた弓弦(ゆみづる・ゆづる)の弾力が、矢の「勢い」の元になります。

勝機を見逃さないための心得が「節目」に込められている

そして石弓の引き金を引く瞬間が、チャンスとしての「節目」です。節目には時間的な意味と空間的な意味があり、時間の一点と空間の一点の両方を重ね合わせるよう集中させねばなりません。

間合い(空間)を計りながら、流れ(時間)を読んでいくのです。まさにチャンスとは、時空同時に生ずる一瞬の区切りのことであり、そこに節目の本質があるのです。

この「節目」を捉えることの効用に、後手に回ったり、後れを取ったりしなくなるということがあります。チャンスというものは、空間的に小さく、時間的に一瞬に訪れます。ピンポイント且つタイトにやって来るが勝機なのです。

従って、後れを取らないよう意識することがとても大事であり、勝機を見逃さないための心得が「節目」に込められているというわけです。

●「険しさ」も忘れてはならない

それから「険しさ」も忘れてはいけません。「戦いの上手な者は、その勢いを険しくし」とありますが、「険」は山の尖った稜線のことです。

矢であれば、その勢いを尖った先端に集めよということであり、運動エネルギー即ち「勢い」が鏃(やじり)の一点に集中されれば、そこが突破口となって勝機(しょうき)を切り開くことになるのです。

●兎に角、威力を分散させないことが大切

  • 勢いがあるかどうか

  • 節目を捉えているかどうか

  • 一点に集中させているかどうか

これから世に打って出るときや活動をブレイクさせるべきときなどに、これらをよくチェックしてみてください。

攻撃ポイントへの一点集中が加われば、威力は格段に増す👊

また武道も同様で、とりわけ空手道には勢いが求められます。突きや蹴りの際、速さと攻撃箇所への一点集中が威力をつくることになります。

先に、運動エネルギーは物体の質量に比例し、速度の二乗に比例すると述べました。重さが倍になればエネルギーも2倍になるのに対し、速さが倍になればエネルギーは4倍になると。そこに、さらに攻撃ポイントへの一点集中が加われば、威力は格段に増すという次第です。

精神一到、一点集中

速さと勢い、集中と威力といった事柄を、物理学などが無かった時代にも関わらず、孫子が的確に掴んでいたことに感心させられます。(続く)



🔥すべては、勝利のために🔥

●あらゆる物事には、「盛衰の循環」がある。

東洋思想の根本原理である陰陽論は、あらゆる物事に「盛衰の循環」があることを教えています。陰極まれば陽に転じ、陽極まれば陰に転じるというもので、活動は必ず波を描きます。

陰陽循環を元に「流れを読む」ことは、指導者に必須のものの見方です。
それを教えている大事な東洋思想が「孫子の兵法」です。
そこには、流れを読み、流れに逆らわないで成功と勝利を収めるための秘訣が説かれています。

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっているのが、世界の現実なのです。


●戦いの現場や現実から、絶対に目を背けてはいけない。

必要なことは、その厳しい現実から逃げることなく、巻き込まれて翻弄されることもなく、「戦いの現場から、如何にして進化と成長のエネルギーを吸収するか」です。そのための考え方と行い方を、きちんと示している兵法書が『孫子』なのです。

●孫子は、人生の指標となる哲学書でもある。

人生も、天分や天性を生かして、勝利し成功しなければ意味がありません。
これから皆さんと一緒に、激動の時代を生き抜くための「東洋の智恵」を、共に学び、共に体得し、実践して行きましょう!

【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりません。そこで、noteの『定期購読マガジン』機能を活用して記事を配信させていただきます。2年間で読み切っていただけるように鋭意努力して参りますが、月4本は必ず配信させていただく所存です。

他のマガジンと合わせまして、どうぞよろしくお願いいたします。

*今回の投稿は「試読用」とし、全て無料で配信させていただきました。

*次号は、有料版として発行させていただきます。
*すでに有料で購読くださっている皆様におかれましては、誠にありがとうございます。引き続きのご愛読のほどお願い申し上げます。

林英臣 頓首





📺林英臣_綜医學ちゃんねる



🔴メールマガジン「林英臣の元氣メール」のご案内

世界はどう動くのか、どうしたら日本は甦るのか?
そして自分の役割とは何か?

多数の志士政治家を育成し、全国の若手経営者を勇気づけているコトダマを、毎週1~2本配信しています。

メルマガ「林英臣の元氣メール」に、ぜひご登録ください。https://www.mag2.com/m/0000149323

◆林英臣(綜観)が全国各地で熱講!◆
◆講演お問い合せはこちらから→ 
http://www.hayashi-hideomi.com/request

ここから先は

0字
これからお届けする【勝つための思考と行動~東洋の英知「孫子の兵法」】は、現時点で書籍化しておりません。 そこで、noteの『定期購読マガジン』機能を活用して記事を配信させていただきます。2年間で読み切っていただけるように鋭意努力して参りますが、月4本は必ず配信させていただく所存です。 どうぞよろしくお願いいたします。

東西文明が交代期にある今、国際政治も会社経営の現場も、鎬(しのぎ)を削る戦いの場となっています。食うか食われるかの陣取り合戦が起こっている…