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ミステリー小説『大正スピカ』

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透視と占いの対比や神職と政府の表裏をテーマに構成したミステリー小説です。 過去に出会った霊能者さんたちから聞いた話をもとに、私たちでは知り得ない世界の仕組みを盛り込んだオリジナル…
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#仁周の第六感

大正スピカ-仁周の第六感-|第1話|蹴鞠

「お婆ちゃん、何で……」 「周、黙っててごめんね。私たちはこうなる運命だったんだよ」 「…

早坂 渚
7か月前
54

大正スピカ-仁周の第六感-|第2話|神格化

「本当によかったのですか? 彼を置いてきて」 「周は元々、自分の意思でここへ来たわけでは…

早坂 渚
7か月前
48

大正スピカ-仁周の第六感-|第3話|白煙

「陛下に、鉄道の爆破計画が察知されています」 関東軍率いる政府長は、この報告を聞いて驚い…

早坂 渚
7か月前
38

大正スピカ-仁周の第六感-|第4話|龍血

「確かに、未来を変えることはできません。しかし、この先迎える未曾有の危機を最小限に抑える…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第5話|浮島

「麒麟が復活するって一体、どういうことですか?」 海岸沿いを目指し歩いていた3人は、洞窟…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第6話|赤と黒

「関東軍が、中国軍を制圧し、さらに領土を拡大しています。日本軍は、銃撃戦に巻き込まれ、多…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第7話|儀式

「また人間が、我々を脅しに来た。そのせいで、千年以上、雨の降っていないこの島に、雷が鳴り響いている。我々の手で、彼らを鎮めるときが来たようだ。これから生け贄の儀式を始める!」 3人は、雷が鳴り響く中、木に縛りつけられていた。 「アカマタとクロマタの二手に分かれよ! 血を奪い、大地に、この汚れた魂を封じ込めるのだ!」 赤のお面と黒のお面をつけた住人が一列に並び、何かを唱えながら、少しずつ近づいてくる。 そして、3人を縛りつけている木を取り囲んだ。 長老は、松明に火をつ

大正スピカ-仁周の第六感-|第8話|麒麟

戦艦に乗せられているのは、國弘の兄と一人の青年。 かつて、鈴子と國弘が暮らしていた熊本の…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第9話|岐路

「ついに、麒麟が現れました。我々の想定を遥かに上回る結果です。もう破滅を受け入れるしかあ…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第10話|指揮

「ご報告させていただきます。麒麟の来襲によって、日本に甚大な被害がもたらされています。こ…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第11話|陸士

周と駿河は、ある場所へ移動していた。 「周、見えるか?」 「はい」 「門から見て、左手に…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第12話|説得

翌日、首相官邸は、日本軍によって包囲された。 日本軍は、四方八方どこから来ても対応できる…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第14話|疑念

「陛下が来られました」 入り口からすでに、敵地に来ているかのような感覚に襲われる。 敷地…

早坂 渚
7か月前
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大正スピカ-仁周の第六感-|第15話|選別

「私は、裕次郎と二人で八咫烏の選別を受けた……」 國弘は、過去に起きた出来事を振り返りながら、裕次郎との過去について、話し始めた。   八咫烏の選別を受ける國弘と裕次郎。 二人は、運命を共にした。 無事、二人とも八咫烏の選別を通過し、副神官として新たな道を授かった。 この時、正篤は、國弘にこう告げている。 「現世に、天草四郎の生まれ変わりが生きている」 その生まれ変わりが、鈴子だった。 当時の天皇は、天草四郎とその生まれ変わりである鈴子が隠したとされる十字架の