見出し画像

【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第37回「波紋」

2024年9月29日(日)20時『光る君へ』第37回「波紋」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
中宮・彰子(見上愛)が一条天皇(塩野瑛久)の皇子を出産し、まひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)は喜びを分かち合う。
そんな二人の親密さがうわさになる中、彰子がまひろの書いた物語を冊子にして天皇への土産にしたいと言いだす。
そこでまひろを始め、女房たちが力を合わせて豪華本を制作することに。
一方、新たな皇子の誕生により、伊周(三浦翔平)らの思惑が外れ、皇位継承を巡る不穏な気配が漂い、内裏で事件が起こる。


■プロローグ

■寛弘5年(1008年)
敦成親王を抱く倫子(黒木華)に彰子は、内裏に戻る際に土産を作りたいと語ります。
それは藤式部の物語を美しい冊子にして帝に差し上げるというものでした。
左大臣との仲を問い詰める赤染衛門(凰稀かなめ)、倫子だけは傷つけるなと諌めました。
彰子は、藤色、若草色など物語に似合う色の吟味をしています。
宮の宣旨(小林きな子)は私もこのように美しい紙をもらいたいと言って皆を笑わせました。

---音楽---
冬野ユミ

---テーマピアノ演奏---
反田恭平

■豪華本の制作

行成にまひろは文を書いています。
道長から、新たな紙、筆や硯が褒美としてもたらされました。

●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「各巻の清書は何人かの能書家に依頼された」

行成(渡辺大知)は源氏物語の巻頭の「いずれの御時にか・・・」と記しています。
そして、皆で水色の紙、紫色の紙で書かれた物語を製本していきます。
完成すると、宮の宣旨が桐壺と書かれたタイトルの紙を表紙に貼ります。

(ナレ)
「帝に献上する源氏の物語の冊子はこうして完成した」

●暇乞い
敦成親王を抱く彰子にまひろが会いに来ました。
久しぶりに老いた父と娘に会うために里帰りしたいと願い出ます。
彰子は承諾し、内裏に戻るときは一緒に来なさいと述べました。

■里帰り

彰子より献上された白米が届き、為時(岸谷五朗)も満足です。
娘の賢子(梨里花)との久しぶりの再会です。
賢子はあまり喜んではいないようですが、気難しいところが自分に似ていると感じています。
乙丸(矢部太郎)にお礼を述べました。
(心の声)
[何だかこの家がみすぼらしく思えた」
献上された米などで作られた宴の膳が出され、弟・惟規(高杉真宙)も一緒です。
賢子は硬い表情のままです。
酔っ払いまひろが披露する宮中の話にも賢子は硬い表情のままです。
いと(信川清順)や乙丸、きぬ(蔵下穂波)らも心配です。

●不安
赤染衛門が道長に呼び止められまひろの姿を見ないがどうしたか聞かれます。
娘もいるので里下がりをしたいと答えると、納得した表情です。
しかし、一人になると道長の表情に闇が垣間見えました。

●罪と罰
まひろは「罪」「罰」と書き、そのすがたを賢子は影で眺めています。

■賢子の思い

彰子は宮の宣旨に対し、まひろに戻るよう文を書くよう命じました。
まひろは彰子からの文を受け取りました。
まひろは賢子のことが気に病んでいました。
藤壺に戻ることを伝えると、賢子は、何しに帰ってきたのか、自慢するため?いとや乙丸も変な顔をしていた。
家より楽しいのか、なにゆえそんな話をするのか、母が嫡妻ではなかったからこんな貧しい暮らししかできない、と責め立てました。

(感想)
久しぶりの賢子と為時の登場です。
賢子に何か事件がありそうな予感・・・。
源氏物語にも絡んでくるとみられる賢子です。

■内裏に戻る

(ナレ)
「彰子は敦成親王を連れて内裏の藤壺に戻った」
敦康親王(渡邉櫂)は敦平親王を見ています。
そこに帝のお渡りです。
豪華に彩られた物語の冊子33帖の一つを手に取り、美しい源氏の物語を見ています。
表紙も料紙も中宮が自ら手に取り考えたものでした。
これで終わりではない、いま思索中だとまひろは述べます。
帝の発案で藤壺で読み上げる会を開くことになりました。

■源氏物語の読書会

宰相の君(瀬戸さおり)が物語を読上げています。
「物語は神代から世にあることを書き記しているといわれているよ。『日本紀』などはほんの一面にすぎない。物語にこそ道理にかなった詳しいことが書いてあるのだろ」と言って・・・」
斉信(金田哲)は『日本紀』より物語を持ち上げたのか?と公任に尋ねています。
公任(町田啓太)は帝が読むことが分かっていてよく書けたものだと言います。
一条天皇が藤式部は『日本紀』にも精通していると述べます。

(ナレ)
「一条天皇が一目置いたことで、まひろの『源氏の物語』は評判を呼び、彰子の藤壺を華やかなものにしていった」

(感想)
「日本紀の局」の経緯、ここで登場です。

●清少納言と伊周
(ナレ)
「一方、清少納言は定子の娘、脩子内親王に仕えていた」
脩子内親王(井上明香里)はお菓子を食べながら読書をしています。
ききょうは源氏物語を読んで何かを目論んでいます。

(引用)
定子の遺品を譲られたのでしょうか。これを身に付け、日々を暮らすききょう。その思いの強さ、一途さに胸を打たれました。果たしてまひろにどんな気持ちを伝えるのでしょうか。

美術展ナビ

●伊周
伊周に対し、叔母の高階光子(兵藤公美)が敦康親王が道長に追いやられてしまうと問題化します。
源方理(阿部翔平)も左大臣には逆らえないと聞いていると。
源幾子(松田るか)は余計な心配はするな、帝の計らいで位も元に戻ったと兄を制します。
しかし、呪詛を再開する伊周でした。

■双寿丸と盗人

悲鳴が聞こえました。
下着姿でうなだれる女房がいます。
聞くところでは、刀で脅されたとのこと。
そこに彰子が現れました。
鬼やらえ、退散なさしめたまえと言いながら夜の街を歩く布の仮面を着けた者たち。
そこに盗んだ着物を投げ捨て走り去る一群。
双寿丸(伊藤健太郎)が捨てられた着物を掴み仮面を取りました。

(感想)
双寿丸が初登場。
双寿丸は直秀(毎熊克哉)と関係あるのでしょうか?
今後の展開が楽しみです。

●道長
藤壺に盗人が押し入ったという知らせが道長にもたらされました。
彰子は道長にまひろが助けたと報告します。
敦成親王は次の東宮になるお方だと話します。
道長は他の女房たちはなにをしていたのか尋ねます。
ただの賊ではないと推測した道長です。

■寛弘6年(1009年)

(ナレ)
「年が明けると、一条天皇は伊周に正二位の位を授けた。伊周は道長と同じ位になったのである」

伊周は、道長のいる席で、自分は第一の皇子・敦康親王の後見、道長は第二の敦成親王の後見だとこれみよがしに語ります。

実資(秋山竜次)は道綱(上地雄輔)に、伊周の不満がこれ以上募らないようにするためだと話します。
上に立つもののゆとりであろうとも。
しかし、帝の敦成親王を次の東宮にという意志は強いともいいます。
公任は隆家(竜星涼)に、これほど伊周が復活するとは思ってもいなかったと語ると、道長を支えると答えます。
公任は隆家に、伊周に動きがあれば知らせるように命じました。

(ナレ)
「この日、為時は正五位下に昇った」

■清少納言との仲は如何に?

清少納言(ファーストサマーウイカ)がまひろの所にやってきました。
「光る君の物語読みました」(清少納言)

----終わり----

次回は 第38回「まぶしき闇」10月6日放送です。

■感想

・日本紀の局
『紫式部日記』によると、一条天皇は、紫式部を評して、「この人は『日本紀』を深く読み込んでいるにちがいない。まことに知識がある」と述べています。
一条天皇のこの言葉から、左衛門の内侍たちに、紫式部は「日本紀の御つぼね」とあだ名されるようになったそうです。
紫式部は「当時女性が漢文を読むのは恥ずかしいことだと考えられており、そのため私は実家の侍女の前でさえ漢字を書かないようにしているのに、どうして宮中で学識をひけらかすような女性だと噂されるのでしょう」と嘆いています。

・賢子
この頃の紫式部の年齢ですが、30歳位だと推定されます。
天元元年(978年)説では、安藤為章、与謝野晶子、島津久基などが1008年(寛弘5年)に30歳くらいと推測されるという説を主張しています。
賢子こと大弐三位は999年頃の生まれとすると、番組では10歳位でしょう。
才能が開花し、三十六歌仙の一人に選ばれ、百人一首にも歌が残るほどの大人物に成長しますね。
「有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする」

いいなと思ったら応援しよう!