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【読書感想】「あるがままに 自閉症です」
以前、NHKの番組でその存在を知った、重度自閉症である作家さんの東田直樹さん。
彼の著書を以前から読んでみたいとずっと思っており、先日やっと入手したのでさっそく拝読いたしました。
ご自身もあとがきで書かれていらっしゃるように、この本は「自閉症という障害について、自閉症者からの説明ではなく、普通の人の視点から解説」する形で書かれており、非常に興味深く、また分かりやすく、のめり込むようにあっという間に一冊読み終えてしまいました。
東田さんの行動パターンとうちの息子の行動パターンが一致しているところが多々あり、あぁ、自閉症の方の特徴なんだなと改めて感じたり、深く感銘を受ける文章も沢山ありました。
「話せない人が話せるようになった時、一番最初に伝えたい言葉が『お母さん、ありがとう』ではないでしょうか。その言葉が言える日を夢見ている子供がいるということを、わかってあげてください。」
私はこの一文を読んで、たまらず涙が溢れ出しました。
いつかはきっと話せる日がくるだろうと信じているけれど、一方で「この子はいつになったらコトバが話せるのだろう?一生話せないのではないか?」などと、ふとしたときにどうしてもこの不安な気持ちが心の奈落から顔を出すのです。
現在4歳3ヶ月、もう普通に会話ができる年齢です。
早く息子と「会話」がしたいし、「お母さん」と呼ばれたい。
東田さんの本を拝読し、夢見ているのは親である私だけではない、息子自身も自分が話せるようになることをきっと夢見ているのだと目からウロコが落ちるとともに、一筋の希望を持つことができました。
この本の後半には「短いお話・詩」という章があり、短編の作品や詩なども掲載されておりました。
いずれも読後にぽっとココロに灯りが灯るようなあたたかいお話ばかりでした。
東田さんの他の著書ももっともっと読んでみたくなりました。
きっともっと私自身が彼の文章から元気をもらえる気がします。