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目覚ましを止めて楽しむ温もりよチェーン付けたるバスの音聞こゆ 森田郁代 施設ではペ…
金色の午後の光を編み込めばなお温かい靴下となり 藤代敏江 幼子はあまたのおもちゃに目もく…
グラスにはルビー色した紫蘇ジュース香る宝石一気に飲み干す 山下ふみ子 宮詣りに眠りし孫は…
母逝きて残しし句帳に読み耽り我が知らぬ世界垣間見えたり 山下ふみ子 葬式には参列をせん四…
トマト苗まだまだ支えは要らないとうぶ毛の光る足でふんばる 藤代敏江 亡父(ちち)に似た翁…
流行歌(はやりうた)街に溢れて誰も彼も口ずさみたり昭和の頃は 藤代敏江 薹(とう)立ちの畑…
茹で忘れ一本残りし青梗菜グラスに挿して食卓飾る 伊藤美枝子 凍てつきし土に根を張るパンジーに蕾見つけたり大寒の朝 森田郁代 ヨボヨボと歩けば母を思い出すゆっくり歩いてあげればよかった 小島夢子 何事も試してみようと決めた朝納豆かき混ぜトーストにぬる 伊藤美枝子 老木を切りにしあとのひこばえに今朝一輪の梅の花咲く 近藤秀子 バリスタの動画を見ながら入れてみる今朝のコーヒーひと味まろし 鵜川登旨 青々と草木の
積ん読を崩して日日をこもりおり小さき活字に戸惑いながら 原葉 うっすらとピンクの肌を覗…