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感情のドローイング

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感情を詰め込んだ魔法瓶。いつか自分の武器を持つために。
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2020年7月の記事一覧

私にとっての『開かれた文章とはなにか』という問について。

私にとっての『開かれた文章とはなにか』という問について。

自分の半生と離別したいと、ずっと思っていた。同時に、それは無理なのだと知っている。
だけれども、心は聞き分けの悪い子供のようで。いつまでも、もぞもぞと居心地が悪そうにもがいている。

  〇

『なにを書くべきか』について、近頃モヤモヤし続けている。そのモヤモヤを打開するきっかけをつかみたくて、ブリリアントブルーに応募した。番組でとりあげていただいた上に、ありがたいことに、仲さんがフィードバックま

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仕分けできない感情のドローイング。

仕分けできない感情のドローイング。

何かを書きたくて、パソコンを付けた。

感情は片付けの行き届かない部屋のようだ。山となった洗濯物に、床に落ちたノート。積み上がった本の塔の下には、書きなぐったようなメモ帳。

仕分けして整理するのが面倒で、もういっそのこと、すべて燃やして灰にしてしまおうと思う瞬間が、何度も訪れる。

すっと、私一人が消えたって、きっと誰にも影響しない。

そんな風に思考が流れていくのは、ホルモンのせいだろうか。そ

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ここは私の独壇場

ここは私の独壇場

料理をしようとキッチンに立つ。スマホで好きな音楽を流しながら、包丁とまな板を取り出す。鍋を火にかけて、炒める、焼く、煮る。

すると不思議なことに、身体が自然に揺れて踊りだしたくなるのだ。

鍋の中でくつくつと煮立つスープや、白くゆれる湯気のリズム。水を滴らせるレタスの先の、雫。東にある窓から見える空や、自転車で帰路につく中学生の制服。裏に住む子供たちの笑い声。
スマホで流している音楽だけじゃない

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