【お知らせ】新作小説連載始まります
待った? なんて言うと、まるで待ち望まれていたかのように響く。
ただいま! なんて言うと、あたかもここがホームと化す。
どちらでもないのだから、安易に適当な挨拶などしないのが得策だろう。
お知らせ通り一休みしていたかというと、そうでもなかった。
作品制作関連で言うと、今後の作品のための本を読んだり、作品のためじゃない読書をしたり、取材がてら美術館に行ったり、よその空を飛んでみて、それもどうやら目途がつきと、つまり大して休んでいなかった。それで、何か変わったことがあったかというと、季節はとにかく変わり続けている。今年初のスイカを食べたり、走りではあるがそろそろ桃も店先に並び始めたりと、フルーツ系のイベントは毎年必ずやってくるから、まずはそれを逃さないようにといったところだ。
季節は待ってくれないなどとぼやいてはいるものの、私が先走ることもあった。『赤い薔薇ソースの伝説』の映画レビューを書いた際、手元に赤い薔薇の画像がなかったため、白いチューリップを中心に撮った画像の奥のぼやけた赤いチューリップでお茶を濁した。その後、春の薔薇の季節がやって来て、頼んでもいないのに行く先々で赤い薔薇を目にすることになった。薔薇からすれば、誰かに頼まれて咲いているわけでもないのだろうが、「鳩子よ。少しばかり待っておれば、わしが咲いておったろうに」というのが本音のところかもしれない。
そんな中、私の句読点問題は、なんとなく落としどころが見えてきたようにも思う。結局、句読点の打ち方にも書き手各々のスタイルがあるようだ。比較的細かく打つ人もいる、打たない人もいる、ケースバイケースで打ち方を変える人もいる、といったことなのだろう。
話は変わって、近所に風呂釜を水槽にして金魚とメダカを飼っている方がいる。
ぽってりとした金魚はシャイなのか、こちらに気づくとすぐに身を隠してしまう。メダカの生んだ卵は、飼い主の方が隣の水盤に移しているようで、時期になるとピンピン泳ぎ回る針子でいっぱいになる。この季節は睡蓮が水面に葉を広げ、ぽつりぽつりと小ぶりの花を咲かせる。これは私の楽しみだったりもするから、今年はまだかと様子を伺っている。
先日のこと、そのぽってり金魚が隠れもせず、ずっとこちらを見ている。目が合ったのはそれが初めてのことで、私はとうとう心が通じたのかと勘違いしたが、すぐにそれが亡骸だということに気づいた。滅多に姿を拝めなかったぽってり金魚は変わらず赤く、腹はあんなにも白かったのだと知った。今日もまだ回収されていなかったところをみると、知る者は私だけなのかもしれない。ただ、睡蓮の葉に囲まれ、ゆらゆら揺れる様に、幾ばくかの救いを感じないわけでもなかった。咲く花もまた、白であったことを思い出した。
赤と白。つまり紅白の話をしているというのに、これ程めでたくないことがあるものだろうか。
さて、うっとおしい梅雨の最中です。
湿っぽい話はこのくらいにして、今後の予定の話をします。投稿ペース落とそうかな、なんてことも考えたりしているうちに、また新作が誕生しました。つまり、また予定変更となります。そういったわけで、すでにお品書きにある作品の発表順も変わります。とにかく創作というのは、何が起こるのか分かったもんじゃないですね。
発表の順番としましては、
『倒木 三部作』の最終話『続・六本木倒木事件(仮題)』
ほぼ会話のみで構成されています。そういった類の小説を何と呼ぶかは存じませんが、そういった類のものです。新作短編小説
一羽のオナガが主人公です。
作品を一言で表すと『レトロ』。もう一言加えるとすると、『イタリアン』ですかね。五作目短編小説
一作目『丘の上に吹く風』のスピンオフと申しましたが、どちらかと言うと続編になると思います。
といった感じになります。
お品書きにある三作目と四作目は一旦すっ飛ばし、道筋をつけるという意味で五作目を先に出します。
それから『はと子劇場 夏休みスペシャル』もやると言った手前、ちょこちょこ挟んでいくと思います。
次回の投稿は梅雨明け頃になるでしょうか。
梅雨、いつ明けるんですかね?
明日明けられても困るんですがね。
『倒木 三部作』のご紹介
一. 詩『倒木』
一作目の短編小説『丘の上に吹く風』の『あとがきにかえて』として投稿されたものです。
二. 『六本木倒木事件』
チューバッカという地球外要素が登場しますが、SFではありません。
ちなみに、今後SFを書くこともないと思います。
三. 『続・六本木倒木事件(仮題)』
三部作を締めくくるにふさわしい、感動小編になります。