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鳩羽 映美
2024年3月7日 17:03
他人と肩をぶつけあい足を踏まれながら生きている俯いて歩いているとじろじろ見られるこちらが見ると目をそらすだけどあなたの地獄を想像したいここまで踏んできた針の鋭さを身動きできない池の熱さをあなたも地獄の住人なのだとそう思えたら優しく手を取れるのかもしれない地獄を持った者同士なら
2023年9月24日 18:42
生まれる前から知っていたなんて嘘で出会うまでは普通に他人だったでもこれから死ぬまではずっと一緒だおなかすいたねおいしそうなものは大体おいしいね一緒にいると飲みこむ前に笑ってしまうね私はあなたとの境目をなくしてこの先きっともっと優しくなくなるどうしても嫌だなずっとひとりとひとりでいたいよねむくなったねでも明日を思うとねむれないね一緒にいても怖いときには泣いてしまう
2020年2月9日 12:16
イヤホンを外せない地下鉄のなか膨れたストレスを抱えながら向かいに座った人の顔すらまともに見られなくて開いた文芸誌のその静止した文字だけが私の知り合い車窓に映って闇に引きずられてるあれじゃなくて手元のまっさらな行間を染めていくのが私
2020年2月9日 12:08
プレゼントを買う時。その時の心には、相手のことをただただ好きだという実感が、さらさらと満ちてくる。そして、それ以上に。どうにも相手に好かれたいと、本当に、ただ素直に思う。なにも取り繕えない。無防備に開いた心と、それから身体。カラフルな棚を縫い歩きながら、ただただ見返りを求めている。君に好かれたい、君に好かれたい。醜いはずなのに、あつくて、気持ちいい。満ちた気持ちがちゃぷちゃ
2018年9月23日 22:44
「私の人生はもうここで終わりです」と思うのに、コンビニでプリンを買うのを我慢したりする。店内の蛍光灯に煌々と照らされて、剥げたコンシーラーやテカる鼻のことが気になりながら、同時に「私の人生にもう行き先はない。ここで終わり」と強く思っている。2分くらい立ち尽くしてから、コンビニを出る。帰り道は暗く、「この世には私のことを好きな人も、これから好きになる人もいない」と思う。そういう道を、ただ
2018年9月12日 00:02
何千年も生きたように疲れていたしいつまでも生まれる順番を待つように寂しかったどんな景色も見飽きていたしどんな音も聞き飽きていたでもあなたの顔は間違いなく初めて見るものであなたの声は間違いなく初めて聞く音だったあなたがその顔で笑ってその声で私に「好きです」と言ったとき私は初めて世界と目が合ったと思っただけど私が一度まばたきをしたら昼と夜が知らぬ間にくるくると