Hathu

俳句・短歌

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最近の記事

行方克己『知音』を読んで

 行方克己は慶応大学文学部時代に富安風生、清崎敏郎に師事。1973年より慶應義塾中等部で30年以上にわたり教鞭をとる。1987年、句集『知音』で第11回俳人協会新人賞を受賞。1996年、同門の西村和子と俳句結社「知音」を創刊、共同で代表を務める。  『俳人協会新人賞作品集第二集』に『知音』が収録されていたため読むことができた。 十五句抄 とどまりて霧の匂ひの濃きところ 水仙の葉の切先に風あそぶ 鴨の陣するする抜けて行きし鴨 冬木道すぐに引き返して来たる 虫の夜の知音知音と鳴

    • 岩田奎『膚』を読んで

      岩田奎の活躍  1999年京都生まれの岩田奎は2015年に開成高校俳句部にて作句を開始。2017年、第20回俳句甲子園にて「旅いつも雲に抜かれて大花野」という句で最優秀賞を受賞。2018年、第10回石田波郷賞新人賞受賞、2019年には第6回俳人協会新鋭評論賞受賞、そして2020年には21歳の最年少で第66回角川俳句賞を受賞。凄まじい活躍ぶりである。現在は「群青」所属。この句集は2022年刊の第1句集であり、「群青」の櫂未知子代表が帯文を、佐藤郁良代表が跋文を寄せている。ま

      • 岡本真帆『水上バス浅草行き』を読んで

        ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし  この歌集を買う前からこの歌を知っていた。松平盟子さんが高校生向けの講演会で紹介していたためだ。ほかにも、同作者の「ごらんよビールこれが夏だよ」の歌や寺井龍哉のつむじ風の歌なども紹介されていて、講演を聞いていた学生はかなり短歌に親近感を覚えたろう。(その時の高校生の大半が短歌には興味がなく集まっていた)  さて、この歌だが、松平さんは流行ったと言っていた。Twitterで。(最近のTwitterは短歌が多く

        • 【目指せ俳人!】主要な俳句の賞

          俳人を目指すあなたに、何の賞を取れば良いのか紹介します。 時系列にそって並べます。年間俳句スケジュールを練るのにもお役立て下さい。 角川俳句賞 角川俳句賞は、俳壇に清新な風を吹き込む才能の発掘を目的として、昭和30年、角川書店により創設されました。以来、俳句に志を持つ人々に等しく目標とされ続けています。 毎年、未発表作品50句の応募作品を対象に受賞作を決定。60年の歴史を経て、現在は角川文化振興財団のもとに、俳壇で最も権威のある新人賞として高い評価を得ています。 締切は5

        行方克己『知音』を読んで

          『どよどよ』 小池昌代 文章題

          『どよどよ』 小池昌代 より作成した問題十問です。 5000字程度の短編からの文章題となります。現代文の演習にもどうぞ。

          ¥100

          『どよどよ』 小池昌代 文章題