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無駄なことが豊かな心に繋がる物語
数年周期で、どうしようもなく読書にのめり込む時期がある。
今、ここ5~6年治まっていた読書熱が再燃している。
実はコレ、私にとってはあまり良い状態では無い。
とにかく小説ばかりを立て続けに読む、という状態の時は精神的なストレスが高まっている時に起こる現象なのだ。
人間、ストレスが高まると、自然に「心を保つ」という調整機能が働くものだ。
仕事や家事などの必要最低限のことをする以外は読書する。
私にとっての読書は、時間を浪費して、現実から離れて心を保とうとする行為。
小説には様々なジャンルがある。
歴史小説なら簡単に時空を飛び越えられるし、ファンタジーなら次元すら超えてしまえる。
見たことも無いようなモンスターを相手に戦うヒーローにもなれるし、禁断の恋に溺れる悲劇のヒロインになることも出来る。
そんなことを考えていたら、甘い香りに心を奪われる。
香りの元を辿ると、そろそろ時期が終わるジンジャーの白い花が咲いていた。
球根で冬を越すジンジャーは、芽が出るまで音沙汰が無く心配される。
ところが、芽を出した途端ものすごい勢いで成長し、2メートルを超すことも。
心配したのは無駄だった、ということから、花言葉は「無駄なこと」になった。
ふと、「自然は何事も無駄には為さない」というアリストテレスの言葉が頭を過った。
無駄に時間を浪費していると思った読書も、単なる現実逃避じゃないのかも....。
悲恋の物語で、現実では流せなかった涙を流し、困難に立ち向かう勇気をヒーローからもらい、また明日、仕事に行こうとしている。
ジンジャーのもうひとつの花言葉は、「豊かな心」。
甘い香りは心を豊かにし、心地良い気分にさせてくれる。
「無駄なこと」が「豊かな心」に繋がっているなんて、ジンジャーの物語も面白そうだな、なんて思いながら今日も私は読書しているのです。