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前田ヒロさんのSaaS Playbook読書メモ part2 ARR 1から10億円のフェーズ

こんにちは!
エンジニアの波多野(@hatamasa1988)です。

Qastというナレッジ共有SaaSを開発・運用しているany株式会社でエンジニアをやっています。

今更ながら、前回に引き続きSaaS特化のVCで有名な前田ヒロさんのSaaS Playbookを読みながらメモしていきます。

ARR 一億円を超えたSaaS企業が立ち向かう壁

こちらに要約をしていただいているものの更に要約w
というか自分に大切だと思う備忘録なのでただの抜粋です

■ARR100億円を達成するために
ARR1億円から10億円、10億円から100億円にいくための「方程式」 = ARR100億円からの逆算で考える。
・ARR100億のときの顧客ポートフォリオから逆算してターゲットセグメントを定める
・大半はARR1億時点の顧客ポートフォリオをそのままの割合で成長させようとするが、これは大きな誤り

■大企業への登り方
大企業へのカスタマイズはConfigurability(他者にも適用できるもの)に基づくもののみやるべき
・1社だけのカスタマイズを認めていくと、開発負債が積み上がってスピードが落ちる
・ただ、何をどこまでやるかは経営が決める。この1社がとれたらそれ以上のバリューがあるのかというのであれば、例外措置的に発動することもある

■プライシング問題
値段の最適化:毎年20%ずつ値上げし続けるマインドがいい
・価格を上げるのは、新規顧客はマスト。既存顧客はどちらでもいい

■ARR1億を超えた時の指標
基本的にはARR1億超えた時点のチャーンとかの指標はあまり意味がない
大事なのは、「顧客が満足してるか」「本来いきたいセグメントか?」の2つ
・本当に満足してたら、顧客が顧客を紹介してくれるはず。

■セールス・マーケティングの考え方
ARR1億達成時の組織構成:営業は少なくする。営業マンの数に売上を依存する組織にしないこと
・ファウンダー+エンジニア6-7名、営業2名、CS(カスタマーサクセス)1-2名の10名くらい
・プロダクトに一番投資をすることが大事

アウトバウンドとインバウンドの割合は、そもそも基本アウトバウンドが良い。インバウンドマーケティングに寄せるのはおすすめしない
・ダメな理由1:費用対効果が悪い
・ダメな理由2:ターゲティングがうまくいかない

■社長の時間の使い方

~1000万:プロダクト
~1億:営業
~10億:カスタマーサクセス
・カスタマーサクセスを早く雇うと同時に早い段階で既存のお客さんと社長が話しまくっていることが大事。トップ20の顧客には年2回は会うこと
~100億:採用と組織づくり

■採用について
重要人材の採用プロセス:「自分が一番考えている課題を与えてソリューションを考えてもらう」が有効
・自分が来年超えたい壁を超えてくれる人を探すわけだから、その課題にこたえてくれるのがいい

SaaStr シリーズ:ARR 1億円から10億円へ 〜 ストレス無く成長する方法

・問題解決にかける時間をより少なくして、諸問題を取り扱うシニア人材の採用活動により多くの時間を割く

迅速に行動する。クライアント、有望見込客、取引パートナーとは会って話す。もっとさらに精力的に。
トップクライアントをCEOが直接訪問しなければ、強い関係づくりをすることはできない。最低でも四半期に2回は、足を運ぶことだ。

CTO主導からVPE主導の開発チームにする。 これ無くして本来のエンタープライズにはなれない。
大手やパワーを持つ会社または人間と話せる人間。それは、セキュリティ、データ、プロテクション、コードレビュー、暗号化、キーストア、リリース管理などについて、企業がどのように考えるかを真に理解していて、実際にその経験がある人間だ。大企業のクライアントからの信頼を得るには、そういったVPEが必要だ

・ARR 10億円達成に近づいたら、ブランドへの投資を積極的に行うべき。最初は馬鹿げた話に思えるかもしれない。でも、これが70%以上のアーリーアダプターでない企業がベンダーを選ぶ判断基準になる
アーリーアダプターはベンダーリスクを取りながらも革新さを求めて、挑戦することを好む。しかし、事業領域が成熟して、このアーリーアダプターのフェーズを離れたら、その先にいる多くのクライアントは、どのベンダーを採用すべきなのかを教えてもらいたがる。だからこそ、トップブランドになるということは非常にパワフルなことなのだ。

SaaStr シリーズ:SaaS企業の最初の100人

ARR20億円を目標とするための人員は約100名
(翌年100%で成長するためには、まず10億円のARRを達成する必要がある)

営業部門40名ほど
・1名の営業本部長(VP of Sales)
・1名の営業管理・育成のディレクター(VP or Director of Sales Ops)
・1名のアナリスト。
・20~25名の営業担当者
・8名の営業チームをサポートするSDR
・3〜4名の営業部長
カスタマー・サクセス部門20名ほど
マーケティング担当4〜8名
エンジニア20名
QAチーム8名

ARR目標を達成するためにSaaSスタートアップ経営者ができること

・もっとコーチングを
目標達成にどのぐらい自信を持っているのかを確認。自信が足りていないようであれば、必要なサポートをしていく。

・ゴールをクリアにし、必達の意識を高める
《共有と確認》を毎週徹底すべき

・カスタマーサクセスにダブルダウン

・採用計画を達成させる
採用計画が未達だと売上計画の達成も難しくなる。採用を社長の目標に入れてコミットさせる。もし毎月1名の採用を目指すなら、採用担当者がいることが必須になるだろう。

・セグメントと分析
既存顧客をセグメント化してパターンを探す。他より上手く機能しているセグメントを探して、そこにリソースと予算をもっと寄せていく。

・Sales Opsへの投資
ダッシュボードの管理、セールスプロセスの改善、情報やノウハウの体系化、部署間の連携力アップなど図るSales Opsの専任がいると営業効率が上がる。

理想的なシリーズAのSaaSスタートアップ

・Retention
年間契約が多いSaaSスタートアップの場合、契約更新率は90%以上が理想。月額契約が多い場合は、1%未満のカスタマーとグロスチャーンが理想。

・Growth
MRR1000万円を突破したタイミングで月次成長率10%以上を維持できてるのであれば上出来。

・Management Team
営業のクロージングを社長以外の人ができ始めていて、さらにカスタマーサクセスとプロダクトチームの権限委任が完了している状態。

・TAM / SAM / SOM
SOM (今のプロダクトで狙える顧客セグメントの市場規模)100億円以上
SAM(2〜3年の期間で狙いたい顧客セグメントの市場規模)500億円以上
TAM (最終的に獲得したい最大の市場規模)1000億円以上
が理想と言える。

・Competitive Dynamics
高い競合勝率(90%以上が理想)。そしてさらに、サービスの導入理由を顧客ヒアリングなどを通じて確認できると良い。

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hatamasa
「ナレッジ経営クラウドQast」を作っているany株式会社で取締役CTOやってます。 会社の成長過程やCTO目線のいろんな投稿を続けようと思います!誰かの役に立てればと思いますので、良かったらフォローお願いします!