光浦靖子『50歳になりまして』【読書5】
光浦さんが数年前留学したい理由をテレビで話していて、すごく気になってたが、やっと著書を読んだ。
最近カナダから一時帰国しているようでよくテレビで見かける。やっぱりおもしろい人だなぁ。
スーさんもよく言っているけれど、女性の人生は多種多様なはずなのにロールモデルがあんまりいないんじゃないか?成功譚少ないんじゃないか?
ということで、光浦さんを年上の私の目指すべきロールモデルとしていきたいと思う。
光浦さんが人生の一発逆転ホームランにしようと留学を目論んで、仕事をほぼ全部やめたところで世界はパンデミックになり急に梯子を外されてしまって路頭に迷っていたころの話。
独身じゃなくてもこういうことありますよね。
特に近頃の在宅勤務、在宅ワークのデメリットでもある。仕事嫌だ辞めたい、なんて日々思っているけれど、職場の良いところは「自分とは向き合わなくても良い」ところ。会社や上司のおかげで自分のことを変に考えなくて済んでいる。
そう、その通り。
会社辞めたいって思う → 一生誰かに雇われてだれかの命令に従い続けると思うとゾッとする → 自由になるために学びなおしをしはじめる → スキルがつく → 副業、ダブルワークを始めて保険をつくる → 他の求人を眺めてみる → なんだかイケそうな気がするー → 会社でまた嫌なことがある → もう辞めてやるとココロに火が灯る
みたいな。
染みる。そういう時期あったなあ。いろんなリミットが迫っていて、まわりの同世代の人と人生があきらかに違ってくる。8通りの女性の人生がもうすごい勢いで枝分かれしていき、適当な新しいロールモデルもおらず、どう生きて行ったらよいのかわからない。
あきらめて開き直るとすごくラクになれる。これでいいのだ。
その手があったか。大学デビュー的な手法が。そうやってもうひとつの人生を回収していけばよいのね。
アナウンサーの堀井美香さんは型にはまった生き方の方が楽と言っていて、確かに型があったほうが余計なことを考えなくていいし、道を踏み外すことも少ないからそれが良いこともある。それに、世の中も学校も子供を型にはめて育てるのが普通な時代だったし。
私が小学生のころ、ランドセルは赤しかゆるされなかった。今とはえらい時代が違うね。私立の小学校から転校してきた女の子が黒いランドセル背負っていて、すごくすごくうらやましかった。
いいこと言う。若いころは白黒思考しがちだけれど、なんでもグレーが良いのよ大人は。
わたしもポジティブな方の感受性が鈍いタイプです。
右に同じ。
わたしの友人は反対に肯定しまくる人です。正反対すぎて一緒にいると毎回驚きます。半面、彼女は人をあまり疑わないから、色々だまされてしまうこともあるようです。私はうまい話があれば必ず疑います。足して2で割ったらちょうどよくなります。2人でいるとグレーになれます。
人間ドックで医者に「100まで生きる」と言われた光浦さん。
独身じゃなくてもこの問題みんなに付きまとう。
ひとりで生まれてひとりで死んでいく、とあゆも歌っていたではないか。たくさん家族がいても最期必ずひとりになる。
なるほど。
もう健康寿命からすると人生の折り返し地点に来ていて、これから一体何を目指して生きて行けば良いのかわからなかったけれど、これは良い考え方。
子供のころは親や教師にレールを敷かれてそこを歩くしかなかったけれど、今は自分で自分の歩いていくレールを敷くことができる。
わたしも取り戻したい。自分で自分にすてきなレッドカーペットを敷いて最期を飾ってあげたいと思う。もちろんうちの夫にも途中まで敷いてあげようと思っているよ。笑
客観的に他人事として考えるとすべてうまくいくかも。自分のことを子供のように育てる。やさしい言葉をかけて、お金をかけて、やりたいことをやらせてあげて、「つらいならやめちゃえば?」と言ってあげようと思う。体に良いものを食べさせてあげて、よく寝かしてあげて、機嫌よく生活させてやる、という視点で考えると自分の人生の方向が見えてきた気がする。わたしも、これからもうひとつの人生を回収していきます。