おとさんの夏休み④旅をしようよ
おとさんが楽しみにしていた金沢21世紀美術館を後にして、旅の2日目のお昼も空腹を抱えて次の目的地へ向かう。
回転寿司とかあるだろうと車を走らせた。
いやあ走れども走れども回転寿司どころかお店らしきものが見つからない。外食しないの?買い物はどこでするの?とのどかな風景を見ながらすすむ。
ちょっとお店らしきものが見えてきた大きな通りで、Availを見つけて入る。
おとさんが何故かパンツだけ持ってくるのを忘れたらしい。パンツだけ買うつもりが、おさるのジョージを見つけたら、ついつい盛り上がり、ジョージのTシャツと短パンを発見。親のものだけではと、月にワイルドスピードのTシャツを買う。
予定外の寄り道たっぷり。月の心は目的地一直線だというのに。
お昼ごはんを食べる場所が見つからないまま、どどーんと目的地の看板が見えてきた。
なんだか静かな場所に目的地の看板。どんな所だろう。もっとにぎやかな場所にあるのかと思っていたので、なかなかにミステリアス。
門を入ると広々した駐車場。そして、どっしりと雰囲気のいい建物があり、どんどんどーんと車が並んでいた。
テンションがあがる月。一目散で見に行った。暑さなんてなんのそのだ。親の私達も、この場の雰囲気に圧倒され、、ワクワクして月と一緒にゆっくりと車を見る。
汗いっぱいになりながら、いよいよ入館。3階から見てくださいとのこと。世界のトイレというのも気になりつつ3階へ行く。
ちらほら人はいるけれど、とにかくみっちりと車、車、車。車の街だ。よくぞこんなに車を集め車を並べたものだと圧倒される。
どこからどう見たらいいかわからないくらい車だらけ。しかもピカピカだ。 月は夢中になって見ているので、もはや3人それぞれにわかれて見る。
説明も丁寧に書かれている。ナンバープレートがまた楽し。
あまりにありすぎて全部は読みきれなかったけど、車が好きで、車を大事にしていることや、その思いをちゃんと伝えようとしているのが、しっかり伝わってきた。
籠や人力車、バイクまで並べきれないほどある。乗り物なら何でもござれだ。
そして、気になっていた世界のトイレ。
実際に使える世界のトイレ。色々な国の便器が並んでいるトイレだった。毎日使う大事な場所であるトイレへの思い。トイレタイムまで、ワクワクしてほっこりくつろげる。どれだけでも過ごせてしまう。
どれにしようかな~と選んでトイレタイム。
どれだけでも過ごせてしまうけれども、見ていると腰が痛くなるので、ちょいと休憩。
前は喫茶店もあったようで。遠方から来られるお客様のためにとオーナーと奥様がカレーを用意してらしたとか。
レトルトカレーはあまり手が伸びないのだけど、オーナーと奥様の心意気に手を伸ばす。帰ったら食べてみよう。
この博物館ができたのも、オーナーの思いが素晴らしくて。
どんどん新しい車に乗り換え作り替えて、作ったメーカーでさえ、保存されないようでは名車が消えてしまうので、なんとか残していきたいという思いで、自動車を集め、またその思いに賛同した人が車を寄付したりしてできた、たくさんの人の好きと大事にしたいという思いが集まった博物館なのだ。
車やトイレだけでなく、建物そのものが大事に作られ、心地よく過ごせるように丁寧に考えられていて、居心地がいい。
いくらでも見ていたいけど、時間が来たので、ミュージアムショップへ。月は博物館のガイドブックを買うのを楽しみに来たけれど、残念ながらガイドブックはなかった。
それもそうだ。ガイドブックは作れないわと思うほどに内容はびっしりの個人の作った博物館では労力が半端ないねと納得。
瓶のコーラを自販機で買って満足していた。
また来たいなあと思う大事な思いのつまった博物館だった。
空腹も忘れるほどに堪能して、いざホテルへ。
夕飯はビュッフェ。和洋中様々品数豊富で楽しくて、それぞれに皿を持って取りに行く。
隣のテーブルで、一人で食べている女性がニコニコとこちらを見ていて、私が一人になると声をかけてみえた。言葉を交わして、こちらが一人じゃなくなると、ピタッと会話をやめられる。後で月やおとさんと話したら、2人共それぞれ一人の時に声をかけられたのだとか。
家族の時間を大事にしてくださりながら、程よい距離感だった。
この女性も隣のテーブルの男性2人も私たちよりはるかに高齢fだったけど、ゆっくりとたくさん食べてみえて、パワフルだったなぁ。
そして料理もたくさんで、盛り付けもきれいで楽しませていただいた。
月はデザートのアップルパイがじいちゃんお手製のアップルパイに次ぐおいしさだったと言っていた。
私は金沢の料理なのか鶏と野菜の味噌煮がおいしかった。
蝉の声を聞きながら、きれいなお月さまを見て温泉につかって、お布団で寝る。
あたたかな時間。贅沢な時間。
楽しい旅をさせてもらって感謝です。