【焚き火企画】炎よりも熱い、人の想い。
5月25日 北星学園余市高等学校である企画が行われました。その名前は「焚き火企画」。
焚き火?学校で?
クエスチョンマークがいくつか出ると思いますが、どういう企画かというと、焚き火を囲み、少人数で将来の話や人生・キャリアについて対話をする企画です。
焚き火を囲むのには理由があります。
初対面、対面で目を合わせて話をするよりも、火を囲みながら同じものを一緒に見て、何気ない会話をする。始まりは何気ない日常の会話ですが、だんだんと深い話ができるようになったり、将来の話をしたり、繋がりが生まれたりする。
この文章を書いている私自身もキャンプをしながら似たような体験をしたことがあります。
学校の授業とは少しちがう、ナナメからの関係性だからこそ出せる対話の価値。
今日のレポートでは、その価値に迫り、焚き火企画がどういう企画なのか、実施への想い、ゲストや生徒の声をお届けします。
私自身、焚き火企画に参加したのも、北星学園余市高等学校に行ったのも初めてでしたが、確かにあの時間には特別な「何か」がありました。
今日はその「何か」を文章を通して伝えれたらと思います。では、いきましょう。
担当は、ハッシャダイソーシャルの「森本」です。
焚き火企画とは?
まずは、焚き火企画とは何かについて説明していきましょう。
焚き火企画とは前書きでも書いた通り、焚き火を囲みながら、人生やキャリアについて対話する企画です。
株式会社鈴木商会の社員の方々を始め、広尾町の地域おこし協力隊の方、元不登校である経験から居場所やきっかけづくりをされている大学生の方、project:ZENKAI参加者で現在大学生の方など、様々なゲストの皆さんに参加していただき、この企画が実現しました。
今年でこの取組連携も3年目になります。
最初は教室での対話企画でしたが、広い庭がある北星学園余市高等学校ならではの条件と、ハッシャダイソーシャルメンバーの焚き火好きも重なり、このような企画が生まれました。
企画の途中からはマシュマロを焼いたり、バナナを焼いてみたりしながら対話をし、食事もしながら楽しい時間を過ごしました。
もう本当にキャンプですよね笑。
ただ、遊んでいるように見える景色からも、生まれる学びと偶発的に生まれる繋がりもあります。
火を見ながら恋愛話をする生徒もいれば、自分の人生観を話す生徒もいる。話を聞いている同級生も「初めて聞いた」と話すストーリーもある。
それらは、対話企画ならではの価値だと思います。
では、次に実際に参加したゲストの方々の感想を届けていきます。
ゲストの声
『だんだんと心を開いてくれた。きっかけは好きなことから。』
「鈴木商会-みまやさんの声」
ー参加者の中で印象に残った話はありますか?
みまやさん:車がとても好きな子との話が印象に残っていますね。その子、最初は下を向きながら話をしていて、ほとんどこっちを見てくれなかったんですよ。
最初は「心配だな」と正直思っていたのですが、車が好きだということがわかり、そのことをさらに聞いてみると、活き活きと好きなことについて話しだすんです。そしたら、だんだんとこちらを見てくれるようになって。
ーそれはとても嬉しいですね。
みまやさん:はい。やっぱり好きなことってすごいなと思います。そこから好きな映画の話になって、車好きということで「ワイルドスピード」の話をすると、さらにこちらを見てくれるようになりました。
その中で、いまの私の職業の話になり、鈴木商会は解体もしているので、具体的な仕事の話をしていくと、その子も解体動画などを見るのが好きらしく、将来は鈴木商会で働きたいと言ってくれました笑。
ーその生徒さんにとってはとても良いきっかけになりましたね〜。最後に、参加してみて良かったことはありますか?
みまやさん:私自身も自分の人生を見返す良いきっかけになったと思います。言語化を結構したので、そこはすごく良い機会になりましたね。
『一人くらいは全肯定する人がいても良いと思った。』
「広尾町 地域おこし協力隊-錦古里さんの声」
ー今回この企画に参加してみてどうでしたか?
錦古里さん:私の班は、将来自分のやりたいことが決まっていると話していくれた子が複数いました。ペットのトリマーをしたい子や薬品などの医療事務で働きたいと言ってくれた子達がいて。
その子たちに対しては「そのまま突っ走ってほしい」と思っています。対話の中で肯定を意識していました。様々な大人がいる中で、一人くらいは全肯定に寄る人がいても良いんじゃないかと思って笑。
ただ、話してみて思ったのは、高校生の段階からこんなにも自分の想いをもって進路を決定しようとしている子達がいるんだということに驚きました。自分の想いを話している姿は私自身にも刺さりましたね。
ーなるほど。逆に今回の企画でうまく話せなかったことはありましたか?
錦古里さん:そうですね。もちろん肯定するスタイルだったこともあるのですが、具体的なアドバイスはほぼ挙げていないですね。「体が動かないんです」という声に対して、解決策があんまり私の中でも思いつかなくて。
ー恋愛相談でもありますよね。そこまであなたのアドバイスは求めてないみたいな。
錦古里さん:そうですね笑。向こうはアドバイスを求めていない場合があると思うんですけど、こちらのスタンスとしては、「何か力になってあげたい」という想いはもっています。なので、アドバイスができなかったのは、悔しかったなと思いますね。
楽しかった前提で、反省もあるし、悔しい気持ちもあります。ただ総じて、最後に「ありがとうございました!」と言ってくれたのは本当に嬉しかったです。それだけでも今回来て良かったと思いました。
ー対話企画を通して、生徒に向き合った錦古里さんだからこその「気づき」だったと思います。お話をしていただきありがとうございました。
参加した生徒の声
次は、今回企画に参加した生徒の皆さんの声を紹介していきます。
まずは、「今日の話を聞いて、何を感じましたか?」という質問に対しての回答を見ていきましょう。
複数回答が可能なので何個かチェックしている人もいると思いますが、少しでも多くの人に、この企画が、これから人生を歩む上での応援になれればと思っています。
アンケートの中でも「将来が少し、楽しみになった」と答えてくれた生徒が6人いたことはとても嬉しい事実です!
また、「将来(進路)について考えるきっかけになりましたか?」という質問に対しては、良いきっかけになった・参考になったと答えた生徒が27人。
「率直に次回があったら参加したい?」という質問に対しては28人の生徒が参加したい・話を聞きたいと答えてくれました。
これらの数字の結果と、次回に向けて改善した方が良いところもいただき、今後の取り組みに活かしていきたいと思います。
最後に
では、この記事の最後に、この企画を支えてくださった北星学園余市高等学校の小野澤先生にインタビューをしたので、「この企画に協力した背景や想い」について聞いていきたいと思います。
では、小野澤先生よろしくお願いします!
ナナメの存在だからこそ、出せる価値。
ー焚き火企画は今回で3回目の取り組みとなりますが、最初はどんな始まりだったのですか?
小野澤先生:最初は、勝山さんから新陽高校で「焚き火企画」を行った話を聞いて、「視線を外しながら話をする機会おもしろいですよ。北星でどうですか?」と言っていただいて、「いいですね!」と返事をしたのが始まりです。
焚き火企画と聞いていたので、最初は「火をつける」イメージをしていたのですが、新陽高校では火をつけていなかったみたいで笑。
ー僕もそのように聞きました。当時は、焚き火の音を携帯で流しながら企画を行っていたと笑。
小野澤先生:らしいですね。北星余市には庭もあるので、実際に「焚き火を使って企画を行ったら良いんじゃない?」という話になって、焚き火を使って行ってみました。
しかし、1回目の実施は真夏に行ってしまって笑。焚き火が熱くて、時期を見直した方がいいのでは?という話になり、時期をずらしてもう一度行うことになりました。それで2回目、そして今に至りますね。
ただ今回の取り組みで、やっぱり一番大切なのは、色々な大人の話を聞ける機会があることだと思います。
教員だけだと偏っちゃうって言ったら変かもしれないですけど、親でも先生でもない、ナナメの関係から話を聞ける経験は生徒にとって「こんな人生もありなんだ」と気づくきっかけになります。
だから、子どもたちにはそういう機会になれば良いなと思います。
ー僕も先生をしていた時の立場を思い出していました。先生の立場から言えることと、ナナメの存在だから言えることって少し違ってきますもんね。
小野澤先生:そうですね。どこかで気にかけてくれる大人がいることを知ることで、背中を押される経験もあると思います。
色々な経験・様々な業界・様々な働き方を知っている方の話を聞くことで、生徒にはとても価値がある時間になる。様々な経験をしてきた人たちの体験を直に聞く機会はそんなにないですからね。
だから、このような機会が生まれて、本当に良かったです。
ーこちらも先生方のご協力なくして、取り組みはできません。本当にありがとうございました。
編集後記
今回は焚き火企画について、記事にまとめさせていただきました。どうだったでしょうか?僕自身、運営をした一人として、今回の企画は様々な人に支えられながら行うことができた取り組みだったと感じています。
だからこそ、今回の記事では、支えていただいた人たちの声も交えながら企画の魅力を伝えさせていただきました。もちろん、この記事だけでは伝えきれない瞬間や想い、人がこの企画に関わっています。
僕自身も改めて「働くこと」に向き合い、働くことの素晴らしさを改めて感じた企画となりました。
やっぱり、人の想いって最高ですね。
これからも人の想いやキャリア観、人生を伝えられるような人でありたいと思っています。引き続き、ご支援・応援のほどよろしくお願いいたします。
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