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次のひとが入居するまで 残像に心の部屋を間借りさせてる 鼻先がすこし冷たい朝七時 カップの…
見渡せば人っ子一人いない午後 裏の戸口にでかいひまわり あの人のマスクの下の頬ゆかし 透明…
呼び慣れた名前変換予測から消えて 居座る「承知しました。」 使わないことばを装填しつづけ…
明日にもあくたになろう花びらが 風のかたちを我に教える 昨晩の雨に散りにし桜花 儚しといふ…
あ、と発す間もなく一面散らばった星は不可逆 かつてはグラス 使用時を久しく見ない電話ボッ…
「行かないで」声もむなしく落ちてゆく 納豆食べた箸の片方 えぶぢゅん と 変なくしゃみが躍…
テーブルに昨日一緒に買ったパン ひとり続編の朝を始める 昨晩の眩き情熱いさいずこ ケミカルライトはくずかごの中 恍惚の眼を前に我でない声を出しおる我は何者
コロナ禍と人は呼ぶけど この中で二人居らば良し幽かな居城 オンライン帰省してねと母が言う …
切りたての髪をしきりに気にする手 私にだけとうぬぼれたい春 ご無沙汰な人からふいにきた “…