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『死にたがりの君に贈る物語』を読んだ。メッセージ性のある、ミステリー作品


死にたがりの君に贈る物語
タイトルが斬新で目を惹かれ「何だろうこの本?」と思い、手に取ってあらすじを読んで見たところ「おもしろそう!」と感じたので即購入!

実際に読んでみると、ストーリーに引き込まれ、途中からは読む手が止まらず、数日で読み終えてしまいました。

実際に読んでみて、色々と感じることがあったのでこの機に感想を書いてみました!読んだ人に共感していただいたり、購入を検討中の方の参考になればと思います。

あらすじ


全国に熱狂的なファンを持つ小説家のミマサカリオリ。人気小説の完結前にインターネット上で訃報が告げられる。それに続いて、ミマサカに心酔していた少女の純恋が後追いをする。

一命を取り留めたものの、「完結編が読めないと、生きる意味がないと語る」。

時が経ち、とある山中の廃校に物語の続きを自分達で作るために、ファンである男女七人が集まり暮らすことに。そこで、起こるはずのない事件が起きる...

感想

①読む手が止まらない程、引き込まれる

購入した日に読み始め、気が付けば読み終えていた...。
それくらい、ストーリーに夢中になり引き込まれる作品!

物語の序盤は、登場人物やあらすじの説明などの導入部分がメインで話が進み、ややスローテンポに感じ、本題に入るまで長く感じる。

あまりに展開が進まないので「この登場人物同士の会話やコミュニケーションにはどういった意味があるんだ...?」と謎に思いながら読み進めていた。

しかし、中盤あたりから物語が一気に動き始め、序盤に疑問に感じていた謎がテンポ良く解き明かされていく。

頭の中でハテナが浮かんでいたセリフの意味についての謎も解消されていくので手を止めることなく読み終えてしまった

ページ数が350ページだったので、「1週間くらいで読み終えるかな」と思っていましたが、3日ほどで読了。

それくらいストーリーに引き込まれる作品


②読み手へのメッセージも込められた作品

ミステリー作品と言うことで、謎解きや犯人探しなど、物語に夢中になって読み進めてしまう一方、読み手・制作者へのメッセージが込められた作品でもあったように感じた。

読み手に対しては、作品や制作者への接し方を伝えているように思えた。

死にたがりの君に贈る物語内では、「ミマサカリオリの作品、超面白い!」と崇拝する人もいれば、「ミマサカリオリの小説、最悪...」と言う人もいる。

現実世界でも同じで、小説や映画、音楽などのエンターテイメントを楽しむ時、「この作品、面白い!!」、「えっ、全く面白くないやん...」など、人それぞれの感想がある。

もちろん率直な作品の感想を述べることは大切。だけど、その一方で否定的な評価を見てショックを受けて傷ついてしまう人もいるので、自分が発する否定的な意見で傷つく人もいることを理解して、作品の良さや悪さを伝える必要があると感じることができた。


制作者に対しては、作品を必要としている人がいるといったメッセージが込められていると感じた。

「この作品、めっちゃ面白い!」と言った作品に対しての肯定的な評価が多くある一方で、「この作品、面白くない」と言った否定的な評価も一定数存在。

作品を通じて感じたことだが、否定的な評価が少なくても、否定的な評価は制作側にとっては辛いことであり、投げ出したい気持ちであることが分かる。

しかし、読者の中には作品が好きで、好きで、好きで堪らなく、作品を読むことが生きがいとなっている人もいて、どんなに否定的な意見が多くても、自分の作品を好きでいてくれる人達の希望になってほしいと言う制作者に対しての筆者の想いが伝わってきた。

また、このようなメッセージをただ言葉を並べて筆者が伝えたいことを書くのではなく、登場人物の感情や行動を用いてメッセージが伝えられており、現実に置き換えた時に自分達が筆者の伝えたいことを元にどのように行動するべきなのか、分かり易かった。

まとめ

推理しながら読みつつも、推理力に長けていないので、結末が予測できず、最後まで楽しめました!

また、ミステリーとして楽しみつつも、読了後に作品との接し方について考えさせられたので読んでよかったです。

気になる方はぜひ読んでください!


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