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文芸編集者が今、本当に考えなければいけないこと

7日前

じんるいと向きあう月の淋しさよ

やくそくよまだ果たされず秋の虹

灯のいえよ谷のそこにも虫しぐれ

寺のかげうつくしいのも十五夜か

すずめきて深くしならす草の穂よ

どのうしろすがたも花野風となれ

いぬのかげ飼いぬしのかげ秋夕焼

わきあがりながれおちては山霧よ

はなすすきたびのゆくえは広大か

霧雨のみちはしろうかあるこうか

いっせいに時間飛ばすか草絮吹く

せんそうよつぶらにみのる茨の実

折りとればさわさわさわぎ芒はら

ひとつぶもひかりこほさず葡萄棚

混ざりだすそらよじかんよ秋夕焼

つづけざまななえにやえに大花火

ひとふさよまるいひかりの黒葡萄

たかぞらよ風にさらわれ草のわた

望郷よまた見うしなうあかとんぼ

いちりんよちいさいながら菊日和

寺の木よときおり熟柿落ちるおと

あたっては日かげる嶺々よ雁の列

にじいろよ爪はじくときつゆの玉

口語俳句 作品集 25 〜露の玉〜

雁の列かたちをもたずゆうぞらよ

ゆうやみよ色濃くならぶ稲架の列

家いえよさかえほろんで秋すだれ

野良猫のふりむきがおよ露の路地

まんげつよ大橋のかげうみのうえ

あきのあめついに港の灯をともす

曼珠沙華みずたまりにも曼珠沙華

野のとんぼはねしか見えず日の光

せいようにとうように鐘秋のくれ

ゆく犬の腹まで濡らす野のつゆが

フライパンカンとたたいて豊の秋

見た夜々もひとすじにきえ天の川

おくにこそ一糸けぶってあきの滝

三千世界葉さきにひかるつゆの玉

金閣よきんいくすじもあきのあめ

あおぎみてみずからを知る天の川

初恋よ以後うつくしくあまのがわ

銀閣をうつすみなもよあきのあめ

口語句集「天の川」70句 〜しゃべり言葉の作品集〜

踏みあるくひとすじの間よ竹の春

こめ炊いてたわらむすびに豊の秋

剥き終えてすでにしたたる梨の玉

ちんもくよこどくかりりと落花生

とおざかるいまをながめて雲は秋

うずもれてまっさおな壜あきの浜